DATALAND
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/08/18 05:56 UTC 版)
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| 施設情報 | |
| 専門分野 | AIアート、デジタルアート、ジェネラティブアート |
| 建物設計 | ゲンスラー |
| 開館 | 2026年6月20日 |
| 所在地 | 100 S Grand Ave, Los Angeles, CA 90012 |
| 位置 | 北緯34度03分21秒 西経118度14分56秒 / 北緯34.0557度 西経118.2488度 |
| 外部リンク | dataland.art |
| プロジェクト:GLAM | |
DATALAND(データランド)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスのダウンタウン・ロサンゼルスにある、人工知能(AI)を用いた芸術作品を専門とする美術館である。メディアアーティストのレフィク・アナドルとアーティスト、アートプロデューサーのエフスン・エルキリチ(Efsun Erkılıç)によって創設され、2026年6月20日に開館した[1][2]。
フランク・ゲーリー設計の複合施設「The Grand LA」内に位置し、ウォルト・ディズニー・コンサートホール、ザ・ブロード、ロサンゼルス現代美術館などが集まるグランド・アベニュー文化地区の一角を占める[1][3]。
DATALANDは「世界初のAIアート美術館」を掲げており[4]、AI、機械学習、データ可視化、映像、音響、香り、ウェアラブル技術などを組み合わせた没入型作品を展示する。開館記念展はレフィク・アナドル・スタジオによる「Machine Dreams: Rainforest」である[5]。
沿革
DATALANDの構想は、データと機械学習を用いた作品を制作してきたアナドルとエルキリチによって進められた。アナドルは2012年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のDesign Media Artsで学ぶためロサンゼルスへ移住し、2014年にはエルキリチとともにレフィク・アナドル・スタジオを設立した[2]。
2024年9月、The Grand LAにAIアートを専門とするDATALANDを開設する計画が発表された。当初は2025年の開館を予定していたが延期され、2025年10月には2026年春の開館予定が発表された[6]。
2026年4月に開館日が同年6月20日と正式発表され、予定通り一般公開を開始した[1]。
施設
DATALANDの展示面積は約25,000平方フィート(約2,300平方メートル)で、5つの主要ギャラリーから構成される[7]。ARTnews JAPANによれば、これとは別にハードウェア稼働用として約10,000平方フィート(約930平方メートル)の専用エリアが設けられている[2]。
展示空間には、鏡面を利用した没入型空間「Infinity Room」、84台の4Kプロジェクターによって構成される「Data Pavilion」、AIモデルの学習データを体験的に探究する「Latent Gallery」、展示終盤の「The Sanctuary」などがある[5]。
施設設計には建築設計事務所ゲンスラーが参加し、アラップが主要エンジニアおよびAV分野のオーナーズ・レプレゼンタティブを務めた[8]。
Machine Dreams: Rainforest
開館記念展「Machine Dreams: Rainforest」(マシン・ドリームズ:レインフォレスト)は、レフィク・アナドル・スタジオによる没入型インスタレーションで、2026年6月20日から2027年1月31日まで開催される[7][5]。
熱帯雨林をはじめとする自然界のデータを機械学習によって処理し、映像、音響、光、香りなどを組み合わせて自然界を再解釈することを主題とする。
展示にはレフィク・アナドル・スタジオが開発した基盤AIモデル「Large Nature Model」(LNM)が用いられている。LNMは、許諾を得た自然界の画像や音響などのデータを学習に利用する生成AIモデルである[7]。
「The Sanctuary」では、ブラジル・アマゾンの先住民族ヤワナワ族の歌や、月下美人をイメージした香りなどが組み込まれている[5]。
展示技術
DATALANDでは、映像と音響だけでなく、香り、温度、光、来館者の身体反応などを展示の一部として利用する。
来館者にはリストバンド型センサーなどのウェアラブル端末が提供され、動き、体温、脈拍、皮膚の電気的反応などを測定する。取得された情報はリアルタイムで変化する映像や展示体験に反映される[9]。
首に装着する端末から来館者ごとに異なる香りを発生させる仕組みも採用されている[9]。
開館時の技術・事業パートナーには、Google Cloud、NVIDIA、L'Oréal Luxe、Epson、L-Acoustics、Empatica、LG Electronicsなどが含まれる[8]。Google Cloudの技術は生成AIによる音響空間、来館者の反応の検知、香りのアルゴリズム制御、来館者の動きに反応する作品などに利用されている[9]。
運営方針
アナドルはDATALANDを「生きる美術館」と位置づけ、AIと人間の創造性の協働を提示することを目標としている。
開館計画の発表時から、再生可能エネルギーの利用、AIモデルの学習に使用するデータの出所、クリエイターの権利などを重視し、「倫理的AI」を推進する方針が示された[4]。
美術展示に加え、AI、科学、データ、テクノロジーに関する研究・教育活動も構想しており、Google Arts & Cultureとの協働によるアーティスト・レジデンス・プログラムも計画されている[5]。
評価と反応
DATALANDの開館は、AIによる芸術制作の可能性とともに、AI作品を芸術と呼ぶことの是非、学習データの権利、エネルギー消費、創作者と機械の関係などをめぐる議論の中で報じられた[4][7]。
Business Insiderのケルシー・ヴラミスは、映像、香り、音響などを組み合わせた体験について紹介する一方、生体情報や館内行動の追跡について、来館者によっては監視されているような不快感を覚える可能性があると指摘した。また、AIによって生成されたものを芸術と捉えるべきか、テクノロジーとして捉えるべきかという問題を提起している[9]。
所在地
所在地は100 South Grand Avenue, Los Angeles, California 90012。ダウンタウン・ロサンゼルスのグランド・アベニュー文化地区に位置し、ウォルト・ディズニー・コンサートホールの向かい側にあるThe Grand LA内に入居する。
脚注
- 1 2 3 “Dataland, the world’s first museum of AI arts, sets opening date and first exhibition” (英語). Los Angeles Times (2026年4月23日). 2026年8月17日閲覧。
- 1 2 3 “AIアート特化の美術館「DATALAND」がLAに開館へ──900㎡超のハードウェア専用室を併設”. ARTnews JAPAN (2026年4月27日). 2026年8月17日閲覧。
- ↑ “DATALAND”. plusroadtrip (2026年6月22日). 2026年8月17日閲覧。
- 1 2 3 “World's first AI art museum to explore 'creative potential of machines' in LA” (英語). The Guardian (2024年9月25日). 2026年8月17日閲覧。
- 1 2 3 4 5 “「世界初のAIアート美術館」を掲げる「DATALAND」がLAに誕生。レフィク・アナドルが共同創設”. 美術手帖 (2026年). 2026年8月17日閲覧。
- ↑ “Check out first look images of L.A.’s trippy museum of AI arts — and its new opening plan” (英語). Los Angeles Times (2025年10月23日). 2026年8月17日閲覧。
- 1 2 3 4 “Inside DATALAND: What to Know About Refik Anadol’s AI Museum” (英語). Artsy (2026年6月22日). 2026年8月17日閲覧。
- 1 2 “DATALAND, the world’s first Museum of AI Arts, opens June 20, 2026, in downtown Los Angeles” (英語). Arup (2026年5月14日). 2026年8月17日閲覧。
- 1 2 3 4 “「世界初」のAIアート美術館に行ってみた…美しく、不気味で、想像以上に考えさせられる空間だった”. Business Insider Japan (2026年7月12日). 2026年8月17日閲覧。
関連項目
外部リンク
- DATALAND - 公式ウェブサイト
- DATALANDのページへのリンク
