ホテル・ベルビュー・ドレスデン
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インターホテル
日本の鹿島建設(担当 井上武司氏)はこのバロック建築を考慮に入れない新築建物の設計を委託された。バロック建築の保存が決定された後、新築工事の計画が変更され、この古い建物が組み込まれることになった。この計画は1982年から1985年までの工期で日本、東京の鹿島建設によって実現された。旅行業界の国際水準をドイツ民主共和国でも満たすことが明確な目標であった。もう一つの目的はハードカレンシーを獲得することであった。従ってこのホテルは西側通貨でしか宿泊できない「外貨ホテル」となった。この建築物はさらに市の中心部を活性化する役割も果たすことになった。都市計画の一環として、また市の歴史の観点から、この建物はドレスデン新市街の価値を高めるものとならなければならなかった。
鹿島建設(担当 井上武司氏)の新設計は、ウェルネスエリアとコングレスエリアを創り出すことにより、国際的なホテルの水準に適合したものとなった。ホテルの周囲には現代建築とネオバロックの要素を取り入れた庭園が造られた。また日本の伝統に従って桜の木も植えられた。ここにはホテルを利用しない一般市民も立ち入ることができた。この公園はドイツ民主共和国の造園・風景デザインの最高傑作とみなされた。
ホテル・ベルビューは1985年2月13日のドレスデン・ゼンパー歌劇場の再開と同時に落成し、このエリアの最も重要な建築物となった。このインターホテルのターゲットグループは特に西側諸国からの宿泊客であった。ドイツ民主共和国国民は通常、このホテルに宿泊することはできなかったが、政界、スポーツ界、文化界の大物は例外だった。インターホテルは国家保安省(シュタージ)の観光部に所属していたため、このホテルにも国家保安省の基準に従って追加的な技術装備を設置された。ホテルの1階にはインターショップがあった。
1992年には、ドレスデンの唯一のカジノがホテル・ベルビュー内に開設された。カジノがオープンするまではジュピター・バーがこのホテルの魅力となっていた。このバーはカジノの開設と同時に閉鎖された。
ホテル内の46席のブリブリ・レストランも一般の人々は利用できなかった。このドレスデンの唯一のポリネシア料理のレストランはホテル客の間で人気が高かった。ドイツ民主共和国時代の最後の数年間は一般の人々も利用できるようになったが、6か月も前から予約しなければならなかった。1997年4月に、ブリブリは最後の予約を受け付けた。
- ドイツ民主共和国政権崩壊後の利用
1989年のドイツ民主共和国政権崩壊後も、ホテル・ベルビューは引き続きインターホテルチェーンに属していた。1989年末には、このホテルはさまざまな政治家の出会いの場となった。当時のヘルムート・コール西ドイツ首相とルドルフ・ザイタース官房長官がハンス・モドロードイツ民主共和国首相と会談したのもここホテル・ベルビューであった。1989年にはまたヘルムート・コール西独首相とハンス・モドロードイツ民主共和国首相がこのホテルで何度かドイツ再統一に向けての交渉を行った。
1992年から1996年までは、このホテルはマリティム・ホテル会社に属していたが、1996年に再びインターホテルチェーンがこのホテルの経営を引き受けた。2000年から2006年まではこのホテルは「スターウッド・ホテルズ&リゾーツ」のフランチャイズ加盟ホテルであった。2000年にホテル・ベルビューはウェスティン・ホテルとなり、「ザ・ウェスティン・ベルビュー・ドレスデン」と改称された。2006年にブラックストーン・グループがインターホテルチェーンを買収した。
1990年代以後も、ベルビューでは引き続き大規模な政治イベントが開催された。2007年5月6日から8日まで、ドイツのフランツ・ミュンターフェリング労相を議長とするG8諸国の労相会議がこのホテルの大会議ホールで開催された。
2002年にエルベ川が氾濫した際には、河畔にあるこのホテルは大きな被害をこうむった。水位は9.42mまで上昇した。特に庭園に面した会議室とテラス、およびグルメレストラン「カナレット」の被害が大きかった。6か月にわたる修復作業の間、このホテルは閉鎖された。修復・改装工事は2004年末までかかったが、2003年春には営業を再開した。ビジネスエリアには昼光を取り入れた会議スペースに19室の会議室が設けられた。この客室数340室のホテルには現在、高級スイートが14室、ジュニアスイートが7室、デラックススイートが6室、プレジデントスイートが1室ある。高級スイートはホテル建築家タッシロ・ボスト氏が設計した。このベルリンの建築家はそのインテリアデザインに対して2004年に「ベスト・ゲストルーム・デザイン・アワード」を受賞した。ロビー・ウィリアムズが2006年にドレスデンでコンサートを開いた時、彼はこのホテルのプレジデントスイートに4泊した。
レストラン「カナレット」からは、エルベ川の「カナレットの景観」を見渡すことができる。
バロック翼のアトリウムにはレストラン「カナレット」の「ファイン・ダイニング」キッチンがある。さらにこのホテルにはエルベ河畔のワイン酒場「ヴィノテーク」とビヤガーデン「エルプゼーグラー」が付属している。将来の洪水を防ぐために、最高9.70mの高水位に対応でき、24時間以内に構築できる洪水防護壁が設けられた。
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