覆面オーケストラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/26 01:46 UTC 版)
覆面オーケストラ(ふくめんオーケストラ)とは、録音媒体に通常の正式名称が記載されておらず、実体が隠されているオーケストラの俗称である。
注釈
- ^ コブラが信奉する「テンポ・ジュスト理論」は、オランダの音楽学者ヴィレム・レッツェ・タルスマが1980年代に公表した学説で、古典派の時代には指揮棒の1往復を1拍として数えていた(つまり、この理論にもとづいて演奏されると、指揮棒の1往復を2拍として演奏する現在の通例よりも、単純計算で2倍の時間を要することになる)と主張している。ただし、音楽学界でこれを支持する研究者はほとんどいない。コブラ指揮の録音はこの理論に基づいているため、ベートーヴェンの交響曲第9番《合唱つき》が110分(通常では70分余り)、ベートーヴェンの交響曲第5番が76分(通常では35分程度)、モーツァルトの交響曲第40番が69分、モーツァルトの交響曲第25番が52分もかけて演奏されている。
- ^ 当初はコブラの録音の発売元はこれを否認したが、後には認めている。
出典
- ^ ヒューエル・タークイ(三浦淳史訳)『分析的演奏論―人間の光と影—』 (音楽之友社、1973年)。
- ^ 録音に立ち会った若林駿介の証言[要出典]
- ^ 田中良和「ホロヴィッツ&ライナー 理想の組み合わせの最良の再現」(Xrcd24『ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」』ライナーノート、ビクタークリエイティブメディア、2009年、JM-XR24062。
- ^ a b c 鈴木頌 (2012年1月9日). “RCA交響楽団について”. 鈴木頌の発言—国際政治・歴史・思想・医療・音楽. 2020年6月22日閲覧。
- ^ 出谷啓「消滅したオーケストラ&録音専門のオーケストラ」(『世界のオーケストラ名鑑387』、音楽之友社、2009年)。
- ^ RCAレコード企画・制作『RCAオペラ・ブック』(ビクター音楽産業株式会社、発行年不記載)
- ^ 出谷啓「ライナーノート」(カーメン・ドラゴン指揮ハリウッド・ボウル交響楽団『ショパン・バイ・スターライト』、東芝EMI、ECC-40192〈LPレコード〉)
- ^ 斉諧生「レイボヴィッツ・ディスコグラフィ」http://www.seikaisei.com/cond/leibwtz/disc_frm.html
- ^ トーマス・ウィリス「ライナーノート」(フリッツ・ライナー指揮交響楽団・シカゴ交響楽団『ハイドン:交響曲第101番ニ長調「時計」、交響曲第95番ハ短調、交響曲第88番「V字」』、BMGビクター、BVCC-1036)。
- ^ http://www.cadenza-cd.com/label/hodie.html
- ^ ヒューエル・タークイ(三浦淳史訳)『分析的演奏論―人間の光と影—』 (音楽之友社、1973年)。出谷啓「消滅したオーケストラ&録音専門のオーケストラ」(『世界のオーケストラ名鑑387』、音楽之友社、2009年)。
[続きの解説]
「覆面オーケストラ」の続きの解説一覧
- 覆面オーケストラのページへのリンク