方格規矩鏡とは? わかりやすく解説

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ほうかくきく‐きょう〔ハウカクキクキヤウ〕【方格規×矩鏡】

読み方:ほうかくきくきょう

漢代から魏・晋代にかけて盛行した鏡の一。中央の鈕(ちゅう)を方格(方形区画)が囲み、その外側T・L・V字形文様がある。この文様定規コンパス見立てての名称で、四神十二支配したものが多い。TLV鏡


方格規矩鏡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/01 21:49 UTC 版)

方格規矩鏡(ほうかくきくきょう)とは、漢鏡の一種で、鏡背の内区がいわゆる方格(四角形)と規矩(TLV)によって分割され、その内部に細線による主文様を有する鏡の総称。内部に配される文様は様々でそれによってさらに細かく分類される[1][注釈 1]。別名として、特に欧米ではTLV鏡英語: TLV mirror)と呼ばれるほか、博局文鏡とも言われる[3]


注釈

  1. ^ 方格規矩文を共通項として一括して方格規矩鏡にカテゴライズすることについて、岡村秀典は主文様によって鏡式を分類すべきとして否定的である[2]
  2. ^ 西田守夫は、王莽期の方格規矩四神鏡の銘文に「刻婁博局」がある事を指摘し、方格規矩文のルーツが六博の博局としたうえで、博局文鏡とすべきだとしている[5]
  3. ^ 中国製は上部のL字形が逆Lになっているのに対し、仿製鏡とされる鏡には正Lになっているものが多いとされる[8]
  4. ^ 伝説上の王者が政務を行う宮殿を模した古代建築[9]
  5. ^ 北極星のこと。天の中心にあって天帝の住む場所とされ、四葉は太一の蓮の花を象徴するもの[3]
  6. ^ 本節では、方格規矩蟠螭文鏡と方格規矩草葉文鏡を方格規矩鏡の一種とする曽布川寛の分類に従うが、樋口はそれぞれ蟠螭文鏡と草葉文鏡に分類し、方格規矩鏡とはしていない[1][3]

出典

  1. ^ a b c d e f g h 樋口隆康 1979, p. 138-140.
  2. ^ 岡村秀典 1993, p. 42.
  3. ^ a b c d e f g h i j k 曽布川寛 2014, p. 2-5.
  4. ^ 曽布川寛 2014, p. 1-2.
  5. ^ 曽布川寛 2014, p. 12-17.
  6. ^ 岡村秀典 2017, p. 64-66.
  7. ^ 上野祥史 2019, p. 37-43.
  8. ^ a b 樋口隆康 1979, p. 295-301.
  9. ^ コトバンク: 明堂.
  10. ^ 林巳奈夫 1973, p. 11-14.
  11. ^ 樋口隆康 1979, p. 70-71.
  12. ^ 樋口隆康 1979, p. 93-96.
  13. ^ 樋口隆康 1979, p. 140-155.
  14. ^ 樋口隆康 1979, p. 155.
  15. ^ 樋口隆康 1979, p. 156.
  16. ^ 樋口隆康 1979, p. 156-158.
  17. ^ 樋口隆康 1979, p. 158-160.
  18. ^ 樋口隆康 1979, p. 160-161.
  19. ^ 樋口隆康 1979, p. 161.


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