ラックス・ペア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/16 13:52 UTC 版)
ラックス・ペア (英: Lax pair)は、数学の可積分系の理論における用語であり、ある微分方程式 (時刻発展型偏微分方程式) がラックス方程式を用いて書き換え可能な場合に、その中で使われる時刻に依存する作用素の対を指す。このような場合、元の微分方程式は、そのラックス・ペアを持つと表現される。これらはアメリカ合衆国の数学者であるピーター・ラックスによって連続媒体中の解を論ずるために導入された。時刻発展型偏微分方程式をラックス方程式で書き換えることにより、逆散乱法を用いて微分方程式の解を求めることができるようになる。この方法により、従来の方法では解くことができなかった多数の非線形時刻発展型偏微分方程式の厳密解が得られており、それらは、ほとんどの場合ソリトン解を持つことが知られている。
- ^ A. Sergyeyev (2018). New integrable (3+1)-dimensional systems and contact geometry, Lett. Math. Phys. 108, no. 2, 359-376, arXiv:1401.2122 doi:10.1007/s11005-017-1013-4
- 1 ラックス・ペアとは
- 2 ラックス・ペアの概要
- 3 等スペクトル性
- 4 ラックス・ペアを持つ方程式
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