マッカーシーの91関数とは? わかりやすく解説

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マッカーシーの91関数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/08 08:44 UTC 版)

マッカーシーの91関数: McCarthy 91 function)とは、離散数学における再帰関数の一種であり、整数引数 n ≤ 101 に対して 91 を返し、n > 101 に対しては を返す。計算機科学者ジョン・マッカーシーが考案した[1]

マッカーシーの91関数の定義は次の通り。

例 A:

M(99) = M(M(110))   99 ≤ 100 であるため
      = M(100)      110 > 100 であるため
      = M(M(111))   100 ≤ 100 であるため
      = M(101)      111 > 100 であるため
      = 91          101 > 100 であるため

例 B:

M(87) = M(M(98))
      = M(M(M(109)))
      = M(M(99))
      = M(M(M(110)))
      = M(M(100))
      = M(M(M(111)))
      = M(M(101))
      = M(91)
      = M(M(102))
      = M(92)
      = M(M(103))
      = M(93)
   .... このパターンが続く
      = M(99)
     (以下、例 A と同じ)
      = 91

ジョン・マッカーシーはこれを、自身が開発したLISP言語で次のように書いた。

(defun mc91 (n)
  (cond ((<= n 100) (mc91 (mc91 (+ n 11))))
        (t (- n 10))))


この関数が期待通りに動作することの証明は次のようになる。

90 ≤ n < 101 のとき、

M(n) = M(M(n + 11))
     = M(n + 11 - 10)  なぜなら n >= 90 であるから n + 11 >= 101 となるため
     = M(n + 1)

従って 90 ≤ n < 101 のとき M(n) = 91 である。

以上を基本として、11個の数のブロック毎に証明していく。an < a + 11 について M(n) = 91 であるとする。そのとき a - 11 ≤ n < a となるような任意の n について、

M(n) = M(M(n + 11))
     = M(91)  仮定から、a ≤ n + 11 < a + 11 であるため
     = 91  基本ケースから

以上のように n をブロック単位で考えれば M(n) = 91 であることが求められる。ブロック間に抜けているところはないので、n < 101 の場合常に M(n) = 91 となる。また、n = 101 の場合を特殊例として追加することもできる。

  1. ^ McCarthy 91-Function -- from Wolfram MathWorld”. Wolfram Mathworld. 2023年6月3日閲覧。



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