ピアニストを撃て
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『ピアニストを撃て』(ピアニストをうて、原題: Tirez sur le pianiste, 英題: Shoot the Piano Player)は、フランソワ・トリュフォーの監督による、1960年のフランスの長編映画である。モノクロ作品。
- ^ 日本では映画版の邦題に従うかたちで『ピアニストを撃て』(真崎義博訳)として刊行されている。
- ^ デイビッド・グーディスはジム・トンプスンとともにアメリカン・ノワールを代表する作家で、そのグーディスの代表作と目されているのが本作の原作であるDown Thereである。ちなみに、中村文則はデイビッド・グーディスを記念して2008年に創設されたデイビッド・L・グーディス賞を2014年に受賞している。
- ^ デイビッド・グーディスは本国アメリカよりもフランスで高く評価された作家で、ジェイムズ・サリスは1992年に著した「モノトーンの生涯」(『ミステリマガジン』1996年10月号)で「出来事がただ起き――核心などない状態の――それ自体には意味がないストーリーが、セーヌ左岸の作家や学生らのあいだでおおいに取りざたされ、議論沸騰して実存主義にまでおよんだのだ。アメリカ人のハードボイルド作品にフランスの読者が見出したものは、ジッドやマルローのような作家の激しい孤独や苦悩と、彼らが昔も今も賞讃してやまないフォークナー、ヘミングウェイ、スタインベック、そしてコールドウェルに見られる、文体の質の高さであった」と、この犯罪小説家のフランスにおける受容の実態を明かしている。しかし、トリュフォーによる本作の映画化の時点ではフランス国内でもまだグーディスの評価はそこまで高いものではなく、本作もこうした評価を反映したものとはなっていない。
- ^ オスカー・ワイルドが1882年にアメリカを講演旅行した際の見聞記であるImpressions of Americaにそういう記載がある。
- ^ ジェイムズ・サリスは上述「モノトーンの生涯」でデイビッド・グーディスの紡ぎ出す世界を「狂気」「超現実主義」「幻覚的」という言葉を使って表現するとともに、本作の原作となったDown Thereのラストをめぐっては「精神科医に分裂症というレッテルを貼られそうだ」とまで書いている。そういう狂気は映画版では影を潜めている。
- 1 ピアニストを撃てとは
- 2 ピアニストを撃ての概要
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