ネケプソス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 00:38 UTC 版)
ネケプソス(Nechepsos: 文献に記録された古代ギリシア語に由来する表記)、ないし、ネカウバ(Nekauba: 当時のエジプトで用いられた語形に由来する表記)は、エジプト第26王朝の起源となったサイス朝の初期の王のひとりとして、マネトの断片的記述に統治が6年間に及んだと記されている人物。ただし、それ以外のことはほとんど何も伝えられていない。実際に王であったのかどうかも、当時の記録から確認されておらず、その存在自体が第25王朝末期のサイス朝の統治者たちによって、自らの王権の正統性を強めるために創作された架空のものである可能性も高い。マネトの記述によれば、ネケプソスは第26王朝の始祖ステフィナテス(Stephinates、おそらくはテフナクト2世のこと)の跡を継いで即位し、その王位は有名なネコ1世(ネカウ1世)、すなわち第26王朝の初代ファラオとなったプサメティコス1世(プサムテク1世)の父に継承された。ネケプソスが実際にサイス一帯の局地的な王として独立した統治を行なっていたのだとすると、それはヌビア朝治下の紀元前678年から前672年のことと考えられる(後掲の Priese を見よ)。そうではないとすると、彼はネコ1世の即位に先立つこの期間に、単にサイスの町の長の地位にあったということかもしれない。
- 1 ネケプソスとは
- 2 ネケプソスの概要
- ネケプソスのページへのリンク