関東州の競馬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/29 01:27 UTC 版)
この項では関東州(遼東半島先端部と南満洲鉄道付属地)における日本人の植民地競馬[注釈 1]について述べる。関東州[注釈 2]は遼東半島先端部と南満洲鉄道付属地(満鉄付属地)からなるが、満鉄付属地の行政権は1937年(昭和12年)満洲国に委譲され満鉄付属地の競馬場も1937年(昭和12年)以降は満洲国に組み込まれるので、それ以降の満鉄付属地競馬は別項満洲国の競馬で述べる。
注釈
- ^ 期限付きの借地である関東州を日本の植民地とするかについては意見も分かれるが、実質的に植民地であったのでここでは植民地とする[1]。
- ^ 中国人にとって関東とは山海関の東側、つまり満洲全域の別称[2]。当時の日本人の考える関東州は中国人の考える関東のごく一部である。
- ^ 昭和10年に開設されていた競馬場7か所は大連、奉天、旅順、金州、安東、鞍山、撫順である[3]。しかし、この7か所以外に1933年(昭和8年)には開原、遼陽にも競馬場があったことが確認できる[4]。開原、遼陽の競馬場は外地及満洲国馬事調査書によればあまり質が高くないとのことであり、1935年(昭和10年)以降の資料では名前が見られなくなる。
- ^ 関東庁は時期によっては関東都督府、関東局、関東州庁などと組織替えしている。
- ^ 日本側では建前として満洲国は立派な独立国であるとし、ドイツ、イタリア、スペイン、東欧諸国などの枢軸側20ヵ国あまりからは国家として承認もされていた。しかし、その実態は日本による傀儡国家であり事実上は日本の植民地である。中国側は満洲国を国家とも認めず、日本の権利も認めていない。中国側の文献では「偽満洲国」と書かれることが一般的である。
- ^ 欧米人と日本人の合弁。
- ^ 営口は天津条約 (1858年)によって開港した牛荘港が川の堆積によって使えなくなって代わりに開港した渤海 (海域)湾に面した港湾都市である。列強各国が進出し、日露戦争で一時的に日本が軍政を敷いた後には日本人も多く住んでいる。清-中華民国の領土だが、外国人は治外法権で中国の法律に縛られずに事業を行えている[9]。
- ^ もっとも計画と現実は必ずしも一致せず、競走引退後は馬車用や農耕用として売られた馬が多い[26]。
出典
- ^ a b 松本1988、300-301頁。
- ^ 平塚柾緒『図説写真で見る満州全史』河出書房新社、2010年、19頁
- ^ a b c 関東局施政三十年史、803頁。
- ^ 外地及満洲国馬事調査書、445-447頁。
- ^ 山崎有恒「満鉄付属地行政権の法的性格」、181-182頁。
- ^ a b c 外地及満洲国馬事調査書、287頁。
- ^ 倶楽部1941-1、520頁。
- ^ 外地及満洲国馬事調査書、416頁。
- ^ 営口案内、2-4頁。
- ^ 満洲国現勢康徳3年版、434頁。
- ^ a b 外地及満洲国馬事調査書、288頁。
- ^ a b 外地及満洲国馬事調査書、288-289頁。
- ^ a b 山崎有恒「満鉄付属地行政権の法的性格」、181頁。
- ^ 外地及満洲国馬事調査書、288-289頁。
- ^ 大連市全圖 最新詳密 : 附旅順戰蹟地圖、伊林書店、1938年
- ^ a b 続 大連市史、185頁。
- ^ a b c d e 外地及満洲国馬事調査書、297-298頁。
- ^ a b c d 外地及満洲国馬事調査書、 291-296頁。
- ^ 荻野2004、113頁。
- ^ 山崎有恒「もう一つの首都圏と娯楽」、173-182頁。
- ^ 山崎有恒「満鉄付属地行政権の法的性格」、203頁。
- ^ 山崎有恒「植民地空間満州における日本人と他民族」、141頁。
- ^ 立川1991、43-44頁。
- ^ 山崎有恒「満鉄付属地行政権の法的性格」、183-184頁。
- ^ a b c 山崎有恒「もう一つの首都圏と娯楽」、183-190頁。
- ^ 外地及満洲国馬事調査書、 299頁。
- ^ 杉本2004。
- ^ a b c 満洲国現勢康徳3年版、434-435頁。
- ^ a b c d e 山崎有恒「満鉄付属地行政権の法的性格」、190-198頁。
- ^ 外地及満洲国馬事調査書、428頁。
- ^ 山崎有恒「満鉄付属地行政権の法的性格」、198-202頁。
- ^ 満洲国現勢康徳3年版、451頁。
- ^ 外地及満洲国馬事調査書、290、305、445-447頁。
- ^ 山崎有恒「もう一つの首都圏と娯楽」、174頁。
- ^ 山崎有恒「もう一つの首都圏と娯楽」、178頁。
- ^ 外地及満洲国馬事調査書、441-444頁。
- ^ a b c 山崎有恒「満鉄付属地行政権の法的性格」、202-204頁。
- ^ a b c 山崎有恒「もう一つの首都圏と娯楽」、179-182頁。
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