モーデル作用素とは? わかりやすく解説

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モーデル作用素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/16 13:54 UTC 版)

モーデル作用素(モーデルさようそ、Mordell operator)とは、関数に作用する作用素

定義

各素数に対して、 モーデル作用素は、ラマヌジャンが考察した関数 [1]

に作用する作用素として、以下のように定義される [2]

歴史

1916年にラマヌジャンはに関して、次の2つの命題を予想した[3]

  • ディリクレ級数と定義するとが成立する。
  • 素数に対して、が成立する。(「ラマヌジャン予想」と呼ばれる。1974年ドリーニュによって証明された[4][5][6]。)

さらに、次の命題を証明した[3]

  • 素数に対して、

1917年、モーデルはこの3つのうち最初の命題を証明した[2][7] [8]。 その時の証明の中で、モーデル作用素を定義し、 がモーデル作用素の固有状態で、その固有値がであることを示した。

出典

  1. ^ 黒川信重・栗原将人・斎藤毅共著「数論Ⅱ:岩澤理論と保型形式」岩波書店、2005、ISBN 4-00-005528-3、p.382.
  2. ^ a b 黒川他「数論Ⅱ」p.385.
  3. ^ a b 黒川他「数論Ⅱ」p.384.
  4. ^ 黒川他「数論Ⅱ」pp.385, 395.
  5. ^ G.H.Hardy, Ramanujan:Twelve lectures on subjects suggested by his life and work(reprint), 1999, AMS Chelsea Publishing, ISBN 0-8218-2023-0, p.246.
  6. ^ P.Delignu, La conjecture de Weil. I., Inst. Hautes Etudes Sci. Publ. Math.(1974), no.43, 273-307.
  7. ^ G.H.Hardy, Ramanujan, p.184.
  8. ^ L.J.Mordell, On Mr.Ramanujan's empirical expansions of moduler functions, Proceedings of the Cambridge Philosophical Society, 19(1917)117-124.



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