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 地盤改良や法面工事などを中心に手掛けるライト工業の男性社員(当時30歳)が自殺したのは長時間労働が原因だとして、向島労働基準監督署が労災認定した。遺族と代理人弁護士が2019年7月3日に会見で明らかにした。

東京都千代田区にあるライト工業の本社。2019年7月に撮影。午後8時ごろには、ほとんどの明かりが消えていた(写真:日経 xTECH)
東京都千代田区にあるライト工業の本社。2019年7月に撮影。午後8時ごろには、ほとんどの明かりが消えていた(写真:日経 xTECH)
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 男性は17年11月、東京都江戸川区にある社員寮で亡くなった。自殺とみられる。向島労基署は、男性が死亡する直前に精神疾患を発病していたと推定。月当たりの時間外労働時間が発病直前に3カ月連続で100時間を超えていたとして、19年6月17日付で労災認定した。

 男性が亡くなる4カ月前の17年7月には、新国立競技場の建設現場で地盤改良工事を担当していた新入社員の過労自殺が判明。ライト工業も加盟する日本建設業連合会が同年9月に、時間外労働の削減に向けた自主規制を打ち出したばかりだった。

 建設会社で働く若者の過労自殺が続いたことを受け、ライト工業の男性の遺族代理人を務める山岡遥平弁護士は、「建設業界は『働き方改革』の進め方を真剣に考えなければならない」と警鐘を鳴らす。