茂木敏充外相は2日、日本国際問題研究所(理事長・佐々江賢一郎前駐米大使)の創立60周年記念シンポジウムで、外交政策演説を行った。
「第1回東京グローバル・ダイアログ」と題したシンポジウムには、米国や英国、フランス、中国、ロシア、インドなど、世界各国からそうそうたるパネリストが参加した。
2日間にキーノート・スピーチを2回、全体会合4回、分科会6回、リージョナル・セッションとラップアップ・セッションを各1回開催したが、その内容は充実していた。
筆者の関心で言えば、《全体会合2》の「新たな米中戦略的競争と国際社会」のパネリストとして、ドナルド・トランプ政権の対中強硬政策のプランナーである、ハドソン研究所シニアフェローのマイケル・ピルズベリー氏が、中国国防大学の劉明福教授、防衛大学の國分良成校長らと意見を交わしたことに興味を抱いた。
シンポジウム初日の《分科会(2)》の「中東を巡る主要国の動きと国際安全保障に及ぼす影響」に出席したイランのアッバス・アラグチ外務次官は翌日午後、首相官邸で安倍晋三首相と会談した。ハサン・ロウハニ大統領の親書を手渡し、同大統領の月末21日訪日を打診したのだ。
このシンポジウム出席者が大統領特使だったという、まさに外交最前線を見せられたことになる。