続編も高視聴率をたたき出しているTBS系ドラマ「半沢直樹」で、第1話の画面中にあった台湾の国旗が1週間後の再放送時に消滅したことが物議を醸している。台湾に神経をとがらせる中国への忖度(そんたく)があったのか。
問題となっているのは第1話で堺雅人(46)演じる主人公、半沢が出向した証券子会社でのシーン。19日の本放送では、背景の大型モニターには世界地図が映し出され、主な国名と国旗があったのが、26日の第2話放送直前の再放送では、国旗が消え、国名表示のみに変わっていた。
TBS広報部は、削除の事実関係を含め「制作過程についてはお答えできない」としているが、半沢の真後ろの目立つ位置にあった台湾の「青天白日満地紅旗」が問題視されたとの見方がある。
「半沢直樹」は中国でも人気が高く、「2013年の第1シーズン放送時に中国に滞在していたが、中国人の口から話題に挙がることも多かった」と語るのは中国事情に詳しいライターの西谷格氏。
半沢の決めゼリフ「倍返しだ」は、「加倍奉還(ジャーベイフォンホアン)」と中国語訳されているが、トウ小平氏の「韜光養晦(鋭気や才能を隠して時を待つ)」という外交理念に通じるとの見方もある。