LGBT法をめぐって世の中が懸念している1つは、「性同一性」の問題です。自分自身の性別を自分でどう認識しているかで、見た目は男性だが、心が女性と認識している人も女性として認めるというものです。
こうなると、「自分は女性だ!」とウソをついている男性が、女性トイレや女湯、女子更衣室などに入ってきて、女性や女児の安全が守られないのではないかという心配が出てきます。その時の女性たちの恐怖は計り知れないでしょう。
「この人は性同一性なの? ウソをついているの?」
実際、多くの女性がそうした不安を声にしています。この法律はある意味、本当に性同一性で苦しんでいる方々を、より苦しい立場に追いやったようにも見えます。法制化を急ぐ必要があったのでしょうか? このままでは、女性という「弱者」と、性的マイノリティーという「弱者」の対立につながりかねないか心配です。
■桂春蝶(かつら・しゅんちょう) 1975年、大阪府生まれ。父、二代目桂春蝶の死をきっかけに、落語家になることを決意。94年、三代目桂春団治に入門。2009年「三代目桂春蝶」襲名。明るく華のある芸風で人気。人情噺(ばなし)の古典から、新作までこなす。14年、大阪市の「咲くやこの花賞」受賞。