北京では、紫禁城からテレビ朝日「ミュージックステーション」に生出演した。紫禁城からの生中継をしたのは、ニクソン元米大統領、ゴルバチョフ元ソ連大統領に続く「史上3番目の快挙」と話題になった。
さらに9月12、13日、サザンとしては初の海外コンサート、中国公演「南天群星 北京で逢いましょう」を北京・首都体育館で行った。
初日公演の中盤で、桑田が体調を崩してダウンするというハプニングまであった。しかし、メンバーの即興ギターバトルや、原由子のぶっつけ本番の「花咲く旅路」即興ピアノ弾き語りで奮闘し、コンサートを乗り切った。これはサザンの抜群のチームワークを物語るエピソードとなった。中国公演は、2日間で2万人を動員するなど大成功を収めた。
この公演にあたり、応援団(ファンクラブ)会員にも北京ツアー参加を募った。
その招待状には「日中の歴史の交流は数あれど、わらわの世代は音楽で、未来に微笑む顔と顔。北京ダックをご一緒に、世に万葉の花が咲くなり。平成の詩人」としたためてあった。
サザンの次なる快打は、この中の印象的な一節をタイトルに冠したアルバム「世に万葉の花が咲くなり」。9月26日に発表され、200万枚の大台を突破するセールスを記録した。
15周年に向けて疾走するサザンは、10月14日からは全国アリーナ・ツアー「歌う日本シリーズ1992~1993」をスタートする。さらに、大みそかにはTBS系で年越しのカウントダウンを挟み「元旦まで感動生放送! 史上最大39時間テレビ『ずっとあなたに見てほしい年末年始は眠らない』」を繰り広げた。ここでサザンは、デビューからの歴史を振り返る「ロック怪獣サザン伝説」を放送した。(芸能ジャーナリスト・渡邉裕二)