「コマサ」と呼ばれた小林さんは豪快で、東京・有楽町にあった日活ホテルで酔って暴れていた外国人プロレスラーをホウキの柄でたたき出したという武勇伝のある人物。おしなべて、小百合は「骨太で男気」のある男性が好みである。
決定的な恋は渡哲也との出会い。それは偶然の出会いであり、身を切るような悲恋に終わっている。小百合と浜田光夫のコンビでヒットした映画「愛と死をみつめて」の第2弾として、1966年に「愛と死の記録」が用意されたが、浜田が目を負傷したため急遽、渡哲也がピンチヒッターに選ばれたのだ。
青山学院大出身の渡は空手は黒帯有段者、映画では芯の強いタフガイのイメージで人気があった。そして二枚目、今でいうイケメンである。
出会いから意気投合した2人は「青春の海」(67年)で恋におち、「嵐の勇者たち」(69年)で共演したころは結婚を真剣に考えている。
渡は吉永家に出入りするようになり、実家に彼女を招いて両親を紹介している。渡瀬家(本名)では「結婚後は小百合の引退を望んだようだ」と伝えられている。