ネトフリ配信の同性愛映画、中東で論争…イスラム教でタブー・出演俳優に中傷も

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 【カイロ=上地洋実】エジプトやサウジアラビアなど中東のイスラム諸国で、同性愛に関する描写を盛り込んだ映画が表現の自由を巡る論争を引き起こしている。同性愛がイスラム教で禁じられているためで、宗教界からは強い反発の声が上がっている。

女優のモナ・ザキさん(2020年12月、ロイター)
女優のモナ・ザキさん(2020年12月、ロイター)

 問題となっている映画は「親愛なる7人の他人」。イタリア映画「おとなの事情」のアラビア語リメイク版で、米動画配信サービス「ネットフリックス」で1月から配信が始まった。7人の男女が夕食会に集い、お互いの秘密が暴露されるという筋書きだ。

 イスラム教でタブーとされる同性愛を容認するような描写があることから物議を醸している。イスラム教の聖典「コーラン」は同性愛を罪と記述しており、イスラム教スンニ派の最高権威「アズハル機関」(カイロ)は、「社会道徳に反する行為は創作活動ではない」との声明を発表した。

 出演したエジプト女優モナ・ザキさんに対する中傷もやまず、SNS上には、「全アラブ人の恥だ」「出演したことを謝罪すべきだ」などの投稿があふれる。エジプトの俳優組合は「創作の自由は守られなければならず、社会の困難な問題に取り組むことが芸術の重要な役割だ」と擁護する。

 サウジアラビアやクウェートでも批判が上がっており、ネットフリックスのサービス停止を求める訴えも起こされている。

 保守的なイスラム諸国では、同性愛などLGBTQ(性的少数者)に関する描写が検閲の対象となる。サウジやクウェートなどは昨年、米ハリウッド大作「エターナルズ」やスティーブン・スピルバーグ監督作「ウエスト・サイド・ストーリー」を公開中止にした。アラブ人同性愛者が登場したことなどが理由で、イスラム諸国は一部シーンの編集を求め、両作を配給するディズニーが拒んだという。

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2852800 0 国際 2022/03/21 05:00:00 2022/03/21 12:40:32 2022/03/21 12:40:32 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/03/20220321-OYT1I50009-T.jpg?type=thumbnail

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