「必ずメダルとる」中3で決意…目を潤ませる堀島行真、有言実行の「銅」
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有言実行の銅メダルだ。男子モーグルで堀島行真選手(24)が3位になった。優勝候補と期待されながら、転倒で11位に終わった
「達成できて良かった」。試合後のセレモニーを終え、目を潤ませながら
保育園の頃、階段から、体を横に1回転ひねりながら飛び降りて遊んだ。まねをした園児は次々と転び、先生たちをひやひやさせた。中学では校舎の壁を駆け上がって宙返りする技に熱中。一緒にやった友人が転倒し、学校側から「堀島のまねをするな」と禁止令が出た。
両親の影響で1歳の時にスキーを始め、すぐに滑れるようになった。ただ、体力はまだなく、斜面を下り終えて急に倒れ込んだこともあった。父親が慌てて駆け寄ると、雪の上で、スヤスヤと気持ちよさそうに眠っていた。
小4の夏、スキー板をつけてプールに飛び込む練習場に通った。モーグルの回転技を始めて2日目、バックフリップ(後方宙返り)を決めて周囲の度肝を抜いた。練習量も圧巻で、休憩せず、他の選手たちの2倍は飛んでいた。
「必ずオリンピックで金メダルをとります」。中学3年の時、将来の自分に宛てた手紙で宣言し、「そのためには努力が大切。未来のあなたをつくるのは、今の僕」と記した。
20歳で挑んだ2018年平昌五輪。直前のワールドカップ(W杯)で優勝して金メダル候補に急浮上し、地元・岐阜県池田町から大応援団が現地に駆けつけた。だが、決勝では得意のジャンプでバランスを崩して転倒。「結果を出そう」と思い詰め、余裕を失っていた。
水泳の高飛び込み、フィギュアスケート、走りながら壁や段差を跳び越える「パルクール」――。この4年間、積極的に他の競技を体験し、体重移動のコツなどを貪欲に吸収した。今季のW杯は9戦すべてで表彰台に上がった。
今大会は予選1回目で失敗し、後がない5日の2回目を勝ち上がると、尻上がりに調子を上げた。「結果が残らないと競技が続けられないのでは」。最後の1本まで重圧に苦しみながら、終始、コブを攻め続け、4年前の自分を超えた。