専攻医の過労自殺、母「労務管理できぬ病院に患者救う資格あるのか」…損賠求め提訴へ

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 神戸市東灘区の「甲南医療センター」で専攻医(旧後期研修医)だった高島 晨伍しんご さん(当時26歳)が過労自殺した問題で、高島さんの遺族が18日、大阪市内で記者会見し、センターの不十分な労務管理が自殺の原因だとして、運営法人「甲南会」に損害賠償を求めて大阪地裁に提訴する考えを明らかにした。母親の淳子さん(60)は「二度と同じことが起きないよう、医師の労働環境が改善することを切に望みます」と語った。(田中健太郎)

記者会見で、高島晨伍さんの遺影を手に声を詰まらせる母親の淳子さん(18日午後、大阪市北区で)=長沖真未撮影
記者会見で、高島晨伍さんの遺影を手に声を詰まらせる母親の淳子さん(18日午後、大阪市北区で)=長沖真未撮影

 高島さんは2020年4月からセンターで研修医として勤務し、22年4月以降、より専門的な研修を受ける専攻医として診療に従事していた。5月17日、神戸市内の自宅で自殺し、西宮労働基準監督署(兵庫県)は今年6月、長時間労働による精神障害が自殺の原因だとして労災と認定した。

 会見には淳子さんと高島さんの兄(31)、代理人を務める波多野進弁護士が出席。淳子さんは高島さんの遺影を手に「息子は『優しい医師になりたい』と使命感を抱いて医療に取り組んでいました」と語り、「労災認定を受けても息子は帰ってこない。医師の代わりはいくらでもいるのでしょうが、家族にとってかけがえのない宝物です」と涙ながらに訴えた。

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4460374 0 社会 2023/08/19 06:57:00 2023/08/19 08:08:32 2023/08/19 08:08:32 https://www.yomiuri.co.jp/media/2023/08/20230819-OYT1I50029-T.jpg?type=thumbnail

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