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神戸市東灘区の「甲南医療センター」で男性専攻医(旧後期研修医)が過労自殺した問題で、センターが原因を調査する第三者委員会を設置しながら、報告書を遺族に開示していないことがわかった。報告書は、業務の負担が自殺の原因となった可能性を指摘し、センターの労務管理を問題視する内容だったという。遺族は違法な残業があったとして、労働基準監督署にセンターの運営法人などを労働基準法違反の疑いで告訴している。(田中健太郎)
亡くなったのは高島
遺族やセンターによると、センターは遺族の要望を受け、昨年8月、原因解明のため、外部の医師や弁護士らでつくる第三者委を設置。同委は職員や遺族らに聞き取り調査を実施し、今年1月に報告書をまとめた。センターは同月、遺族側に、第三者に公表しないことを条件に報告書を開示すると伝えた。遺族は公表を求めたが、センターは「職員のプライバシーが含まれる」などと拒否し、開示しなかったという。
職員には説明会実施
関係者によると、センターは職員には説明会を実施していた。そこで▽高島さんは初めて主治医として患者を担当し、心理的負担があった。自殺と無関係と言えない▽学会で発表する資料の作成期限を守ることが難しいと嘆いていた▽いじめやハラスメントはなかった▽センターの労働時間や健康管理の体制が不十分で、問題に気付けなかった――と明らかにしていたという。
センターは、労基署が認定した時間外労働には、労働時間にはあたらない自主的な「自己研さん」の時間が含まれていると主張している。しかし、第三者委が認定した時間外労働は労基署とほぼ同じだった。
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