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富山県舟橋村発注工事を巡る官製談合事件。背景にあった要因の一つが、工事の予定価格の非公表だ。県内では近年、談合防止策として自治体による入札改革が進んでいるが、同村だけが予定価格を非公表にしていた。専門家は、入札制度が業者との「癒着」につながった可能性を指摘する。(吉原裕之介、小川朝煕)
疑いあった
「村民の皆様には申し訳ないことをしました」。予定価格を漏らしたとして村会計管理者、吉田昭博容疑者(56)が官製談合防止法違反容疑で逮捕されて一夜明けた19日、古越邦男村長(68)は非公開の会合で村議7人に頭を下げた。
予定価格とは、発注者側が工事予算の上限を示す金額のこと。入札では、予定価格から最も低い金額で入札した業者が落札する。県警捜査2課などによると、昨年10月、当時生活環境課長だった吉田容疑者は2件の指名競争入札で、建設土木会社「森崎」(富山市)の取締役の男(68)(公契約関係競売入札妨害容疑で逮捕)に予定価格を教え、同社が同額かそれをやや下回る額で落札した。いずれもほかに2社が参加していたが、同社を上回る入札額だったという。
村によると、予定価格は工事を担当する職員が算出し、総務課長と村長が決裁する仕組みといい、生活環境課長の吉田容疑者も価格を知りうる立場だった。村職員は約30人と小規模で、吉田容疑者は同課長を6年間務めた。ある捜査関係者は「役場内のチェック機能が甘く、疑いを持って見ていた」と明かす。
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