淡路島上空を通る新たな飛行ルートの追加案、国交省が提示…関西・神戸空港の発着枠拡大へ
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関西、大阪(伊丹)、神戸の3空港のあり方を官民で議論する「関西3空港懇談会」(座長=松本正義・関西経済連合会会長)が25日、大阪市内で開かれた。関西と神戸の両空港の発着回数を増やすため、国土交通省が兵庫県・淡路島の上空を通るルートの追加を柱とする新たな飛行経路を提案した。今夏にも、関係する自治体で専門家による委員会を設置し、経路の妥当性や騒音の影響などについて検証する。
国交省が示した案では、航空機が関空と神戸空港を離着陸する時の飛行経路について、淡路島上空を通るルートを現行の2本から5本増やす。東アジア方面の航空需要が高まり、関空の西側の空路を拡充する必要があると判断した。
また、陸上を通過する高度も現行の8000フィート(約2400メートル)以上から、3000フィート(約900メートル)~5000フィート(約1500メートル)以上に引き下げる。現在、関空を離陸する航空機は、騒音を回避する目的で高度を確保しようと大阪湾内の上空を旋回しており、混雑を招いていた。
航空機が淡路島の上空を通過する頻度が増し、高度も下がるが、国交省は「機材の小型化や性能の向上で以前より騒音は小さくなっている」と説明している。
今回、国交省が示した飛行経路の見直しは、昨年9月の3空港懇で合意した関空と神戸空港の発着枠拡大の前提となる。2025年大阪・関西万博に向け、関空は1時間当たりの発着回数の上限を現在の46回から60回に、神戸空港も国内線1日当たり80回から120回に増やす方針だ。
国の提案を受け、大阪、兵庫、和歌山の3府県は、専門家による委員会を設けて検証作業に入る。住民の理解を得た上で、3空港懇は来年中に結論を出すことを目指す。兵庫県の斎藤元彦知事は懇談会終了後、報道陣の取材に「客観的、科学的な検証をして、地元に説明する。県も汗をかいて淡路島の住民の理解を得ていく」と述べた。