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【ワシントン=田中宏幸】全米鉄鋼労働組合(USW)のデビッド・マッコール会長は2日、USWとして反対する日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収について、「今日、バイデン米大統領が我々の背中を押してくれるという個人的な確約を得た」との声明を発表した。日鉄の巨額買収は政治問題化しており、米当局による審査に影響を与える可能性が出てきた。
マッコール氏は声明で「鉄鋼は国家安全保障と重要インフラ(社会基盤)に不可欠だ。買収は組合員と国の利益を危険にさらす」と強調。バイデン氏の「確約」に対し、「問題に関心を持ってくれていることに感謝している」と述べた。
バイデン政権は安全保障の観点から、外国企業による対米投資を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)を通じて買収を厳格に審査する方針だ。
買収を巡っては、与野党の議員からも反発の声が強まっており、米大統領選の共和党指名候補争いでリードするトランプ前大統領は1月31日、「私は即座に阻止する。絶対にだ」と発言した。
USWは85万人が加入する大規模労組で、労組票の争奪戦が過熱している。