千葉869億円・神奈川127億円…大差ついたアクアライン経済効果、対岸との交流少ない川崎側

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木更津行きの高速バスに乗り込む宍戸さん(JR川崎駅前で)
木更津行きの高速バスに乗り込む宍戸さん(JR川崎駅前で)

 川崎市と千葉県木更津市をつなぐ自動車専用道路「東京湾アクアライン」(15・1キロ)が18日、開通から25年を迎える。「ETC搭載の普通車800円」など通行料が安価になってから交通量は急増。対岸の千葉県では大きな経済効果があったと公表しているが、神奈川県内への効果は不透明で、「もっと活用を」との声も聞かれる。

ゆったり通勤

 相模原市から木更津市へ転居した宍戸要介さん(37)は現在、東京都大田区のキヤノン本社までアクアラインの高速バスで川崎市を経由して通勤している。「片道40分ほどをゆったりした席で過ごせるので、心身ともに楽になった」と話す。

 もとはキヤノンのラグビー部で主将も務めた。町田市の練習グラウンドへ行くには相模原市は便利だったが、2016年に引退。妻の実家がある木更津への転居を考えた。その頃の通勤距離は約30キロだが、乗り換えも多く混雑する電車通勤は「仕事の前からストレスがたまった」。木更津は約35キロと距離は遠くなるものの、高速バスの利便性に魅力を感じて移住を決めた。

 今、通勤の木更津―川崎便では「ラグビーの動画を見たり、資格の勉強をしたりと有効に活用できている」という。

通行料800円に

 川崎市消防局は「職員がワーク・ライフ・バランスを確保でき、人事異動の際には勤務地の選択の幅が広がる」として、アクアラインで高速バスの使用が最も経済的で合理的な場合、通勤手段として認めている。市外に住み、アクアライン通勤する職員は20人。通勤手段としてアクアラインが注目されるようになったのは、通行料の引き下げが大きい。

 アクアラインは1997年12月の開通当初、普通車の通行料を「片道4000円」と設定。98年度の交通量が1日平均1万台にとどまるなど利用者が伸び悩んだことから、社会実験が重ねられ、09年に普通車800円まで引き下げた。21年度は4万8370台まで増加している。

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3630281 0 経済 2022/12/18 07:43:00 2022/12/18 07:43:00 2022/12/18 07:43:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/12/20221217-OYT1I50150-T.jpg?type=thumbnail

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