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231段の急な石段がある和歌山市の紀三井寺が、高齢者や障害のある人が参拝しやすいようにケーブルカーを新設し、5日に運行が始まった。ケーブルカーを設置した寺社は京都・鞍馬寺の例があるが、全国的にも珍しい。
山麓の楼門下から山上の仏殿下まで高低差約31メートルを約70秒で結ぶ。運転手はおらず、参拝者がボタン操作で動かす。
これまでも車で本堂近くまで行けたが、車がなければ石段を上らなければならず、同寺が2020年の開創1250年の記念事業でケーブルカーを企画。寄付や観光庁の補助金を活用し昨年9月から工事を進めていた。寺は津波時の避難場所に指定されており、避難での活用も想定している。
紀三井寺の前田泰道貫主は「これまで体力面で諦めていた人も、ぜひご参拝を」と呼びかけている。運賃は片道で一般200円、小中学生と70歳以上100円。