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各企業から株主総会の事務作業を受託している三井住友信託銀行が、株主の議決権行使で誤った集計の処理を行っていたことが23日、わかった。約20年間にわたり、少なくとも約1000社の総会で、株主の一部が自らの賛否を投票できていなかった恐れがある。
三井住友信託銀は、受託した議決権行使書の集計作業をグループ会社の「日本株主データサービス」(東京・杉並)に委託していた。同社では集計作業を円滑に進めるため、企業の株主総会が集中する毎年6月頃には、本来の到着日より1日早く郵便局から議決権行使書を受け取っていた。そのため、本来は期限の翌日に到着するはずの行使書も期限内に手元に届いていた。
民法では議決権行使などの意思表示は通知が相手方に到達した時点で効力を生ずると規定されている。にもかかわらず、同社は間に合わなかったとして集計から除外しており、「不適切な処理だった」(関係者)と判断した。三井住友信託銀は近く記者会見を開いて経緯を説明する。
日本株主データ社には、みずほ信託銀行も集計作業を委託しており、同行でも同じような集計の誤りが生じた可能性がある。7月に開かれた東芝の株主総会で、海外の投資ファンドが自ら郵送した議決権行使書が結果に反映されていないと指摘し、三井住友信託銀が調査を進めていた。