笑福亭鶴光のオールナイトニッポン、テレビでも舌好調…おっちゃん喜ぶ「ギリギリ」トーク

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ラジオブース風のセットでテンポ良く会話を交わす、鶴光(左端)とナビゲーターの田中美和子(右から2人目)ら
ラジオブース風のセットでテンポ良く会話を交わす、鶴光(左端)とナビゲーターの田中美和子(右から2人目)ら

 1970~80年代、若者から支持を集めた伝説的ラジオ番組「笑福亭鶴光のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)がテレビ番組で復活し、好評だ。ケーブルテレビ「J:COM」で隔週土曜午後10時30分から、新作が放送されている。30年の時を経て、再びこの“ブース”に足を踏み入れた笑福亭鶴光(75)に、笑いの極意を聞いた。(辻本芳孝)

 鶴光が「オールナイトニッポン」のパーソナリティーを担当したのは74年から。きわどい下ネタを交えたトークは特に男性リスナーの心をわしづかみにした。オイルショックの時期で、「テレビ放送が早く終わったので(若者は)ラジオに来た」といい、同時間帯のラジオ聴取者の「占有率90%を達成したこともある」と豪語する。

 深夜1時から4時間の長丁場をしゃべり倒した。「僕はガンガン行く方やから、ペース配分が必要。最初から飛ばさんと、マラソンみたいに2時頃からガーッと上げていって、3時から段々終幕に向かう。3時以降は自分でも何かわからんようになる状況やね」。軽妙な語り口で振り返る。85年に終了したが、放送期間は11年を超え、長らくオールナイトニッポンの最長記録だった。

さわやか路線無用

 その後、同局の午後の情報番組を担当する。主な聴取層が主婦なので、プロデューサーの求めもあり、当初は「オールナイト」で磨いたエロトークを離れ、さわやかな番組を志した。だが、3か月ですぐに戻った。

 「局の偉いさんが『誰がそんな放送やれ言うたんや』と。『あんたの放送を聞いてね、誰も政治経済を勉強したいとか思わん。思い切り笑わしてくれ。そのためには下ネタであろうとも許すから』と言ってくれはった」と、しみじみと語る。

 ゲストやスタッフをどんどんいじり、下ネタも「グレーゾーンのギリギリ」まで攻めた。「これを越えてしまうと駄目(という一線があり)、手前ではおもろない。なんのクレームも来ない番組なんてね、聞いているのかわからん」

 両番組だけで30年近くしゃべり続け、得た結論は「ラジオが終わった後、何も残らんほうがいい」ということ。「『面白かったね、あれ』って言われ、『何が』と聞くと『忘れた』でいい。ラジオってそういうもんなんですよ」

少し早い時間帯

 2017年にテレビで“復活”した「笑福亭鶴光のオールナイトニッポン.TV@J:COM」は、おなじみのオープニング曲で始まる。ラジオブース風セットでゲストやアシスタントと生放送するスタイルだ。「オールナイト」の復活を求める声がある中、深夜ラジオは年齢的にためらったが、「テレビなら」と少し早い時間帯の番組を始めることにしたという。

 前半30分の「地域編」はゲストの好きな街にスポットを当てる。後半1時間の「エンタメ編」が真骨頂だ。水着姿のグラビアタレントが登場するほか、視聴者に下ネタ込みのサラリーマン川柳を投稿してもらう「エロリーマン川柳」など人気コーナーが配置され、「おっちゃんの視聴率がぐっと上がる」らしいと誇る。

 喜寿が近づいた今も、1時間半、番組で話すのはまったく苦にならない。「やれるだけやって、あかなんだらあかなんだで」。どこまでもひょうひょうと、今日も茶の間に笑いとエロの風を吹かす。

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