「真打ち」がいない上方落語、若手の実力認定の取り組み…桂三枝会長時代には模索したが実現せず

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 上方落語協会は新年度から、技量の高い若手 噺家はなしか を認定する取り組みを新たに始める。江戸落語の「真打ち」に近い“上方版真打ち”ともいえるもので、若手の励みにしてもらい、上方落語の活性化を図る狙いがある。名称は公募で決める。

上方落語の定席・天満天神繁昌亭。昼席は複数の落語家が週替わりで登場する(14日、大阪市北区で)=渡辺彩香撮影
上方落語の定席・天満天神繁昌亭。昼席は複数の落語家が週替わりで登場する(14日、大阪市北区で)=渡辺彩香撮影

 真打ち制度は、現在江戸落語にしかない格付けシステム。入門後、見習い修業を経て「前座」となり、3~5年で「二ツ目」に上がる。その後10年ほどで「真打ち」に昇進すれば、寄席のトリを勤めることができるほか、「師匠」と呼ばれて弟子を取ることもできる。

 上方でも大正期まではあったとされるが、その後なくなり、実力主義となった。2005年、上方落語協会の桂三枝会長(当時、現・文枝)が「大阪に真打ち制度を復活させる」と述べるなど、これまでも導入を模索する動きはあった。しかし、東京では昇進基準を巡って落語協会が分裂しており、慎重な対応を求める声も多く実現しなかった。

 今回、上方落語協会は、所属する落語家246人のうち、入門から15年を対象として実績を評価。認定されれば、協会が運営する定席・天満天神 繁昌はんじょう 亭(大阪市北区)などで1週間トリを勤める披露興行を実施でき、ひいき筋獲得の契機としてもらう。新年度は4~5人を認定する見通しで、8月からの披露興行を目指す。今のところ、「前座」「二ツ目」に当たる階級を設ける予定はないという。

 笑福亭仁智会長(71)は「若手の励みや目標になる制度を目指す。一層の責任感を持って芸道にまい進し、飛躍する機会としてほしい」と話している。

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5152034 0 伝統文化 2024/03/17 09:45:00 2024/03/17 10:58:11 https://www.yomiuri.co.jp/media/2024/03/20240317-OYT1I50017-T.jpg?type=thumbnail

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