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戦後を代表するプリマドンナの一人、ソプラノ歌手の伊藤京子(いとう・きょうこ、本名・長谷川京=はせがわ・きょう)さんが25日、老衰で亡くなった。94歳だった。告別式は近親者で済ませた。喪主は長女、毛利留美子さん。
静岡県出身。東京音楽学校(現・東京芸術大)を経て1949年に日本音楽コンクールで1位となり、翌年オペラ・デビュー。叙情的な美声と恵まれた容姿を生かし、30年以上にわたって第一線で活躍した。特にモーツァルト「フィガロの結婚」のスザンナやベルディ「椿姫」のビオレッタ、團伊玖磨「夕鶴」のつうなどを当たり役とした。
日本歌曲の紹介にも積極的に取り組み、数多くの録音を残した。また、国立音楽大などで後進の育成に力を注いだ。クラシック演奏家の団体、日本演奏連盟の理事長を長年務め、97年に勲三等瑞宝章。95年に日本芸術院会員。