BEAUTY / WELLNESS

ゆるっとグルテンフリー生活、8年の軌跡。【実録! 私のカラダ改革〜Sさん編 Vol.1】

テニスプレイヤーのジョコビッチ選手に始まり、ミランダ・カーにグウェイネス・パルトロウ。多くの著名人の間で瞬く間に火がついたグルテンフリーは、もはや世間一般に浸透している。だが、トライしたことはあっても、継続的に生活に取り入れている人はそれほど多くはないかもしれない。海外で流行の兆しを見せた8年ほど前からいち早く実践したというライターSさんに、その経験を語ってもらおう。
セレブの間で一大ブームとなった頃からスタート。

<左> テニスプレイヤーのノバク・ジョコビッチは、グルテンフリーの実践法を紹介した自身の本『ジョコビッチの生まれ変わる生活』が大ヒット。Photo: Graham Denholm/Getty Images <右> ミランダ・カーも火付け役の一人。Photo:  Instagram/@mirandakerr/Miranda

──Sさんは随分前からグルテンフリー生活を始められたんですね。何か必要に迫られていたのでしょうか。

S 個人的に必要に迫られていたわけではなく、実は、元ミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタントのエリカ・アンギャルさんの本、『グルテンフリーダイエット』の制作に携わったのがきっかけなんです。そもそもグルテンフリーに目を向けたのは、私が“セレブウォッチャー”という、セレブのトレンドを追っている仕事をしていまして、当時セレブの間で話題になっていたからです。当時はまだ日本であまり知られていなく、新しい概念を紹介するのに誰にお話を聞こうかと考えていて。かつてお会いしたことがあったエリカさんがグルテンフリー生活をしているとおっしゃっていたのを思い出し、企画を持ち込んで本にさせていただいた、という流れです。

──具体的に、どんなセレブの間で話題になっていたのでしょうか。

S 例えば、マイリー・サイラスが2カ月で約11kgの減量に成功したとか、テニスプレイヤーのノバク・ジョコビッチは動きがシャープになり、世界王者の座を獲得したとか……。他にも、ミランダ・カーやクリントン元大統領ファミリー、ジェシカ・アルバグウィネス・パルトロウなど、多くのセレブや著名人がネットや雑誌上でグルテンフリー生活を披露していたんです。日本では、ジョコヴィッチ選手がグルテンフリーのおかげで成績が上がったという本を出版したことで認知され、だんだん意識する人が多くなったのではないでしょうか。

──そしてエリカさんに直接お話を聞いたことがきっかけで、Sさんも始められたんですね。

S はい。彼女自身は大人になってから、自分がグルテンアレルギーということを知ったようなのですが、グルテンをやめたことでとても体調がよくなって美容にも効果があった、ということを、毎週のように取材で話していました。それで私も影響され、ゆるく始めてみようかなと思うようになりました。

「とりあえずパンを食べる」をやめてみた。

Photo: Volodymyr Melnyk/123RF

──Sさんの場合は、いきなり最初からグルテンを全部排除したわけではなかったんですね。

S 全部はなかなか難しいですからね〜。私の場合は、とてもお手本にはならないくらい、かなりゆるゆるですよ(笑)。美味しいパンがあったら食べちゃうし。ただ、朝に“とりあえずパンを食べる”っていうのをやめたんです。一人暮らしだとご飯を炊くのが面倒で、ついつい手軽にパンを食べてしまいがちなんですが、その“とりあえず”をやめてみたのが第一歩でしたね。エリカさんがおっしゃっていたのですが、グルテンは依存性があるので依存しないように、必ず食事でタンパク質をとることを心がけたほうがいいと。私は朝に白湯を飲み、生野菜や卵を食べるようにしたら、結構お腹が満たされてパンを食べなくても済むようになりました。

──今はグルテンフリーのパンやパスタも充実していますが、Sさんが始められた頃は、まだ日本にそういうものは少なかったですよね。

S そうなんです。当時、米粉パンなどは正直あまり美味しくなかったですね。でもエリカさんがグルテンフリーのパスタなどを教えてくれて、それが割と美味しかったんです。なるべく自分でもそういうものを取り入れていました。始めた頃は今よりきちんとやっていたかもしれないです(笑)。

──例えゆるくても、8年間意識していれば、いろいろな変化があると思います。具体的な変化については次回お聞きすることにして、長く続けるコツはありますか。

S これもエリカさんがおっしゃっていたのですが、基本、日本人は和食を食べるように心がけていれば、必然的にグルテン摂取の機会は少なくなるそうです。お米とお魚と煮物、それに大豆製品にはグルテンはほとんど入っていませんから。それと、さっきも話題に上がったのですが、代わりにビタミンやタンパク質を摂るように意識するといいと思いますね。

──ちなみに、Sさんはどんなものでタンパク質を摂っているのでしょうか。

S 基本はお肉と大豆です。例えコンビニのランチでも、サラダにツナ缶やサラダチキンやお豆腐を合わせて食べればきちんとタンパク質が摂取できるので、あまり難しく考えなくていいと教えてもらいました。それにならって、〆切前の忙しいときでも、とりあえずパックごはんに納豆をのせたりしています。タンパク質がなぜ必要なのかというと、せっかくビタミンを摂取しても、タンパク質が不足すると体に吸収されないから、だそうです。そうなると、お肌や髪にも影響が出ますよね。

Sさんはグルテンの摂取を減らす代わりに、きちんと栄養を補い、グルテンに依存しない生活をうまく持続していた。果たしてSさんの体は、この8年間でどう変化したのだろうか。次回はその具体的な変化について聞いてみよう。

>>セレブウォッチャーSさんの、グルテンフリー生活Vol.2に続く。

今回の体験者:Sさん(女性・ライター)
出版社勤務を経て、海外セレブのトレンドや恋愛コラムなどを中心に執筆するフリーランス・ライター。『VOGUE』WEBにてセレブのビューティー連載「セレブ美容探偵」を執筆中。持ち前のビューティー感度の高さでいち早く、8年前からゆるっとグルテンフリーを実践している。

Interview & Text: Sayaka Kawabe Editor: Mika Mukaiyama