飛び込み女子元日本代表で電撃復帰を果たした馬淵優佳(27=ミキハウス)が、国際舞台に向けて第一歩だ。

 25日に丸善インテック大阪プールで関西選手権女子3メートル板飛び込みが行われ、267・90点をマークして優勝。1度目の現役時代よりも難度を上げるなど再び世界を意識し、復帰後初の公式戦で結果を残した。

 試合後は「得点は、もうすこし欲しかったなという印象です」としつつも「助走からの板踏み全てで高さが出て、先端に乗れたのでそこはすごくよかったです。一度目の選手時代よりもしっかり板を踏むことができたように思います。久しぶりに表彰台に乗ることができ、たくさんの関係者から『おめでとう』とお声掛けいただき、頑張ってきてよかったとうれしい気持ちになりました」と語った。

 今大会の成績で8月の日本選手権(日環アリーナ栃木屋内水泳場)の出場資格を手にした。

 競泳男子日本代表の瀬戸大也(TEAM DAIYA)と結婚し、一度は現役引退するも東京五輪後に競技への復帰を決断。2児の母として「『やりたいことをやってもいいのか』という葛藤もあった」ようだが、最終的に「人生は一度きり。自分の本当の気持ちに今向き合わないと絶対後悔すると思い、決心しました」と明かした。

 昨年10月に練習を再開。現在は栃木に拠点を置き、1日約6時間、週5日汗を流している。

 馬淵は「今回最低限の目標は達成できたと思いますが、世界と比べるとまだまだ足元にも及ばないと思います」と冷静に分析。目標は世界トップレベルの300点とまだ距離があるが「一度目の選手時代よりも気持ちが強いので、コツコツと前進できたらと思っています」と力を込めた。2年後のパリ五輪に向けた挑戦は始まったばかりだ。