まさかの結末だ。ノアの稲村愛輝(29)が、シングルリーグ戦「N―1 VICTORY 2022」(11日、横浜で開幕)出場権を逃した。

 N―1に参戦予定だったティモシー・サッチャーがビザの発給手続きの遅延により来日が困難となり、5日の後楽園大会では稲村と岡田欣也(23)が出場権をかけた「N―1出場者決定戦」で激突した。

 岡田のミドルキック、串刺しニーの餌食となった稲村だが、強靱な肉体で耐え続ける。ブロックバスターホールドをカウント2で返すと、首をつかんでのエルボー連打で一気に流れを変えた。

 持ち前のパワー全開でマットに叩きつけ、豪快なショルダータックルで吹っ飛ばす。トドメを狙い、ロープを2往復した直後だった。

 全体重を乗せたショルダータックルをかわされ、そのまま背後から後方回転エビ固めで丸め込まれて3カウントを献上。逆転負けを喫した稲村は、ぼうぜん自失だった。

 勢いでは完全に上回っていた。昨年はケガで途中棄権となったゼロワン真夏の祭典「火祭り」に2年連続出場し、7月31日の決勝戦に進出。最後は大日本プロレスの関本大介に敗れたが、準優勝という大きな結果を残したばかりだった。

 一方、同じ2018年デビューの同期対決を制した岡田は「負け続けたけど、諦めなかったらいつかは勝てる。食らいついていきます!」と興奮ぎみに語った。