21日に脳リンパ腫のため亡くなった松方弘樹さん(享年74)は、波瀾万丈の女性遍歴で知られた。プレーボーイと言われ、週刊誌に「“千人斬り”の松方」とキャッチフレーズを付けられたことも。最初の妻である元モデルのNさんとの「3億円離婚」、仁科明子(現亜季子)との不倫、結婚、離婚などでにぎわせた。

 仁科とは1974年、松方さんが主演したNHK大河ドラマ「勝海舟」で共演し、翌年に松方さん主演のドラマ「けんか安兵衛」(フジテレビ系)のヒロインに仁科を推薦して共演したころから親密に。当時「花嫁候補ナンバーワン」といわれた仁科と妻子ある松方さんの“不倫騒動”が世間を騒がせた。

 当時Nさんと結婚していて、現在俳優の長男・目黒大樹(43)がいた。77年1月、松方さんが離婚を切り出したが、仁科の存在が分かってNさんが態度を硬化させ、すんなり離婚とはいかなかった。結局「慰謝料3億円」という破格の慰謝料で離婚が成立。当初は松方さんとの交際に猛反対していた仁科の父親で俳優の故岩井半四郎さんも結婚を認め79年3月、仁科との結婚を発表した。

 同年11月7日、都内のホテルで「松方弘樹と仁科明子の結婚を祝う会」が盛大に開かれた。発起人には三船敏郎、勝新太郎、萬屋錦之介、大川橋蔵、菅原文太など、今は亡きスターがずらりと顔を並べ、800人を超す芸能人、業界関係者が詰め掛けた。

 仁科は結婚後、芸能界を引退。松方さんとの間にタレントの仁科克基(34)と仁科仁美(32)をもうけた。だが元アイドル歌手との隠し子騒動が持ち上がり松方さんがパイプカットして謝罪したこともあった。また元女優の山本万里子さんとの“不倫騒動”が持ち上がり、98年に仁科と離婚。克基と仁美は、仁科が親権を持ったため仁科姓を名乗っている。