〝伝説の武闘派〟がリングに降臨! 2年前に俳優業引退を表明し、表舞台から姿を消していた元俳優の高岡蒼佑(40)が、6月にキックボクシングルールでの格闘技戦に挑むことが分かった。なぜ今、格闘技に挑戦するのか? 別れを告げた芸能界への復帰はあるのか? 再始動した高岡が長い沈黙を破って、現在の心境を激白した。

 映画「パッチギ!」や「クローズZERO」などで高岡が繰り広げた、迫力満点の格闘シーンがよみがえった。

 高岡は11日、大阪市内のジムに、格闘技興行を主宰する一般社団法人・競拳インターナショナルの若野康玄代表や榎並信也後援会会長を訪ね、その場でミット打ちから、〝人生初〟というスパーリングに挑戦。パンチやキックの鋭さ、負けん気の強さ、真剣さに若野氏らは目を細め、6月12日に大阪・堺市産業振興センターで行われる「競拳21」で、メインイベントでのデビューが決定した。

 高岡といえば、実力派俳優としてスター街道を歩んでいたが、2011年にフジテレビの韓流偏重を批判し、事務所を退所し、同年に女優・宮崎あおいとも離婚。芸能界では、すっかりトラブルメーカー扱いされ、20年には「気力の限界」と俳優業を引退していた。

 その後、京都に移り住み、ゴミ収集作業や居酒屋勤務などのかたわら、アパレルのブランドを立ち上げるなど第2の人生を歩んでいた中、知人から「格闘技に挑戦してみないか」と思わぬラブコールを受けた。

 当初は乗り気でなかったというが、高岡は「元気のない時代じゃないですか。40歳で頑張っている姿を見せられれば」と一念発起したという。

 俳優時代は不良役でのケンカシーンが多く、プライベートでの武勇伝も語り継がれた。

 ただ高岡は「映画は殺陣を覚えて、右行って、左、後ろ、前とダンスみたいなもの。強い強くない、ではない。ケガをするので、アドリブもほとんどなかった。16歳の時、ボクシングジムに何か月か通っていたくらいで、格闘技はド素人みたいなもの」という。

〝武闘派〟〝芸能界最強〟というイメージは作られた幻想でしかないというが、その体幹の強さやパンチやキックの筋は、スパーリングを見守っていた多くの経験者をうならせた。

 気になるのは格闘技挑戦を経て、俳優業に復帰する可能性があるのかどうかだ。高岡の早過ぎる引退には、今でもその才能を惜しむ声は多い。だが本人は「お芝居は好きだけど、あの世界(芸能界)は全然興味がない」と完全否定した。

「20代にキラキラしていた時もあって、思い出づくりはできた。これからは自分のやりたいことを積み重ねていきたい。格闘技はエネルギッシュで、こんなに刺激があるのは久しぶり。挑戦することに喜んでくれる人がたくさんいるし、恩返し、みそぎもある。勝っても負けてもここからまたスタート。40代を盛り上げていくためのエンジンをかけたい」と今は格闘技に全力を注ぐという。

 一方で高岡は、芸能界を震撼させているガーシーこと東谷義和氏の話題にも触れた。東谷氏と面識はないというが、「ガーシーさんの言っていることは間違っていない。俺も山盛り宝箱ありますよ。干されてからの10年間黙っていた。一切忖度しませんよ。けど、しゃべりませんけどね」と不敵な笑みを浮かべた。

 近くユーチューブチャンネルを開設し、6月の格闘技デビューに向け、発信も行っていく予定。何をしでかすか分からない〝爆弾男〟が雌伏の時を経て、リングという華やかな大舞台へと帰ってくる。
   
☆たかおか・そうすけ 1982年2月8日生まれ。東京都出身。99年にテレビ朝日系のドラマ「天国のKiss」で俳優デビュー。映画「パッチギ!」、「クローズZERO」、TBS系ドラマ「ROOKIES」など数多くの作品で脚光を浴びる。2007年に女優の宮崎あおいと結婚。11年にフジテレビの「韓流偏重」を訴え、騒動に発展。同年、宮崎と離婚した。20年に俳優業引退を表明。176センチ、65キロ。B型。