LGBTQ当事者らが自民党本部前で抗議「差別やめろ」「平等な権利を」 党議員参加会合での差別文書配布で

2022年7月4日 20時40分

性的少数者(LGBTQ)らを差別する内容の冊子が配られていたことに抗議する人たち=東京都千代田区で

 自民党の国会議員が参加した会合で性的少数者(LGBTQ)に対する差別的な内容が書かれた冊子が配布されていた問題で、当事者らが4日、東京・永田町の自民党本部前で抗議の声を上げた。参加者は「差別をやめろ」「平等な権利を」などと書かれたプラカードを掲げて訴えた。
 冊子は、6月13日に都内で開催された「神道政治連盟国会議員懇談会」で参考資料として配られた。同性愛について「先天的なものではなく後天的な精神の障害、または依存症」「回復治療の効果が期待できる」などと大学教授の見解として紹介されていた。
 4日には当事者団体の全国組織「LGBT法連合会」(東京)が抗議声明を発表し、「こうした言説自体が人権侵害であるのみならず、極めて非科学的な事実誤認」と指摘。断じて容認できないとした。
 抗議は当事者ら有志が企画。発起人の「アンドロメダ」さん(27)は「冊子の表現は許せない。LGBTQであることは病気ではない」と強調。ゲイでライターの松岡宗嗣そうしさん(27)は、「LGBTQ当事者の自殺率が高いのは本人のせい」との趣旨の記述があったことについて「本人のせいではない。社会にLGBTQへの差別や偏見があるから」と否定し「平等な権利、人権を保障してください」と求めた。
 自民党に対し、内容の明確な否定と冊子の回収を求めるオンライン署名も展開されている。(奥野斐)

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