「今も弟子」伊集院光が語る三遊亭円楽 理論派で懐深い師匠

2022年1月3日 07時20分
 タレント伊集院光(54)=写真=には、三遊亭円楽(当時は楽太郎)の下で「三遊亭楽大(らくだい)」を名乗り修業した時期がある。若くしてラジオでブレークし別の道に進んだが、今も「師匠」「弟子」と認め合う。弟子だから知る、円楽の魅力とは。 (聞き手・谷岡聖史)

◆内緒のラジオ出演がばれて…

 僕は高校二年から不登校になり、落語を聴くようになった。大師匠の先代円楽につてがある親戚がいて、面白いと思っていた師匠に会わせてもらったら「明日から来いよ」って。稽古は「この二十秒間にギャグがない理由はこうだ」と理論派で、お客さんを引き込む声の調節とか、ギャグは何パターンに分類できてそれを掛け合わせるとかが、自分にフィットしました。
 ただ、二つ目時代に内緒でラジオ出演したことが発覚した。「弟子が勝手やってるらしいな」と言う大師匠に、師匠は「やらないと分からないバカなんで」と取りなしてくれたそうですが、僕は落語に行き詰まり、人間関係のストレスも抱えて落語から離れた。不義理した時期もあるんですが、他の人が「伊集院さんは弟子ですか」と聞いたら、「俺を尊敬してるなら弟子だ」と言ってくださった。すごい懐の深さです。
 師匠はよく「時間を忘れるほど好きなことに少しの社会性を持たせて仕事になるなら、それが一番幸せ」と言う。落語が好きで、それを聴きたい人がいるなんて幸せです。大病をしたので心配するんですが、「肺がんになったおかげで早口が治った」ってニコニコ言うんです。
 昨年は師匠と二人会を開いたけど、師匠がつくった場所に落語を聴いたことがない人を呼ぶ係になりたい。教わった話術をラジオで流出してるわけですから、ご恩に報いたい。

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