ZOZO創業者・前沢氏寄付金で道の駅 館山市、23年度開業目指す 食のまちづくり拠点に

2021年8月20日 07時15分

館山市が道の駅の建設を予定している市有地=同市稲で

 館山市は、インターネット衣料品通販大手ZOZO(ゾゾ)の創業者で実業家の前沢友作氏が、ふるさと納税した寄付金で創設した基金を運用し「食のまちづくり拠点施設」の整備を計画している。市有地を中心とした約二・二ヘクタールに建設され、物販や飲食を楽しめる「道の駅」とする方針。地域振興の役割を担い、二〇二三年度の開業を目指す。(山田雄一郎)
 市によると、市が建設し、地元の農水産物を幅広く販売する道の駅ができるのは初めて。総事業費六・五億円を基金から拠出し、このうち設計・建設に五・六億円を充てる。市の担当者は「観光と農業、地域の産業が結びつく施設にしたい」とする。
 施設整備の事業者は公募型プロポーザル方式を採用。三グループから応募があり、五月二十八日のプレゼンテーション審査を経て、丸高石油(館山市沼)を代表とする企業グループを優先交渉権者に決定した。
 市によると、丸高グループの提案は、農産物の集荷サービスや地域内外への流通・販売に取り組むほか、市産品のブランド化、地場産ジビエのPRに力を入れるというもの。施設のデザインについては屋上緑化を採用し、田園風景や自然環境との調和を目指すとしている。
 九月に同グループと事業契約を締結。設計から施工、維持管理までを一括発注する公設民営のDBO方式(デザイン・ビルド・オペレート方式)で工事を開始する。完成後は、同グループが二十年間、指定管理者を務める予定。建設予定地では、これまで露天市「館山まるしぇ」が開かれてきた。
 前沢氏は、一九年の台風15号で被災した館山市など安房地域三市一町に各一千万円を寄付。同年十二月には、観光振興のためとして館山市に二十億円を寄付した。市は「前沢友作館山応援基金」を設立し、これまで新型コロナウイルスを巡る経済対策などに資金を拠出してきた。

屋上緑化で田園風景と調和した施設のイメージ図(館山市提供)


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