北の若 初土俵から4年半での入幕に「遅い」病気療養中・北の富士さんの激励明かす

[ 2023年10月30日 13:09 ]

新入幕会見に臨んだ北の若※記者撮影
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 日本相撲協会は30日、大相撲九州場所(11月12日初日・福岡国際センター)の番付を発表し、元高校横綱の北の若(22=八角部屋)が2019年春場所の初土俵から約4年半かけて新入幕を果たした。北の若は福岡市南区の八角部屋で記者会見し、「ファンにも言われることが多いが、少し時間がかかった。とりあえずは勝ち越しを目指す」と意気込みを語った。

 山形県出身で強豪の埼玉栄高時代、高校横綱に輝いた。1メートル91、151キロと恵まれた体格を誇りながら殻を破れなかった。鋭く前に出る相撲に磨きをかけ「迷わずに自信をもてるようになってきた」と手応えを口にした。

 角界へ導いてくれたのが元横綱でNHK大相撲解説者の北の富士勝昭さん(81)だった。妹夫婦が営む酒田市のちゃんこ店「北の富士」で中学時代に出会った。

 元々、同郷の元横綱・柏戸をYouTubeで見ていた北の若はその対戦相手だった北の富士山さんも知っていた。その弟子である八角理事長(元横綱・北勝海)へ弟子入りし「前へ出ることが一番大事」と教えを受けてきた。

 高校時代は下がりながらの相撲でも上手が取れれば勝負できた。その経験が、プロで出世を阻む壁になった。「小手先では勝てない。相手に圧力をかけるというのはだましが効かない」。北の富士さんや師匠の言葉を真に理解するのに要した約4年半とも言えた。

 現在病気療養中の北の富士さんへ東十両2枚目で8勝した秋場所後、電話で連絡すると「遅い」と激励があった。ほぼつかみかけていた新入幕についての率直な感想を聞き「厳しい意見だったけれどうれしかった。どんな形であれ、見てもらえたら」。会見には故郷の支援者から贈られた「七宝柄」の着物で臨んだ。恩返しへの思いを形にする九州場所にする。

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