協会即決!有罪判決の兄弟子3人を解雇

[ 2008年12月19日 06:00 ]

時津風部屋力士暴行死事件の判決公判終了後、記者の質問に答える亡くなった斉藤俊さんの父正人さん

 大相撲の時津風部屋の序ノ口力士、時太山(ときたいざん、当時17、本名・斉藤俊=たかし=さん=)が暴行を受け死亡した事件で、傷害致死罪に問われた兄弟子3人に対し、名古屋地裁は18日、執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。量刑は伊塚雄一郎被告(26)と木村正和被告(25)が懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役3年6月)、藤居正憲被告(23)が懲役2年6月、執行猶予5年(同懲役3年)。判決を受け、日本相撲協会は即座に3人を解雇処分とした。

 不祥事が起きるたび、対応の遅さが指摘されてきた相撲協会の決断は早かった。この日午後、時津風親方(元幕内・時津海)が協会を訪れ、武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)に対し、有罪判決を言い渡された伊塚被告ら3人が控訴する意思がないことを報告。理事長は、その場で3人の解雇を通告した。
 協会は3月6日の理事会で、有罪が確定した場合は即解雇処分にすることを決議。今後、検察側が控訴する可能性はあり、有罪が確定したわけではないが、理事会も開かずに処分を下した。理事長は「(判決を)重く受け止めて、3人には第2の人生を頑張ってもらいたい」と話した。
 名古屋地裁で開かれた判決公判で、丸刈り頭の3人はいずれもノーネクタイのスーツ姿で登場。判決が言い渡されると、前かがみでうつむいたまま微動だにしなかった。芦沢裁判長は判決理由で「犯行は集団で執ように激しい暴行を加えており、はなはだ悪質」と指摘。執行猶予については「相撲部屋では親方の指示は絶対的で、弟子が従わないのは極めて困難。3人の果たした役割は大きいが、元親方の指示で行われた」と述べた。
 時津風親方は「こういうことが二度と起きないように監督したい」と神妙に話し「斉藤君のご冥福を祈り、相撲協会と相撲を愛する皆さまにおわびしたい」と涙ながらに頭を下げた。3人に対しては「今後を見てあげたい」と最大限の協力を尽くすことを約束した。
 公判では、同じ傷害致死罪で起訴されている元親方、山本順一被告(58)の影響力が争点だった。山本被告については公判前整理手続き中で、真相究明は今後、本番を迎える。

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2008年12月19日のニュース