【広島】原、競輪3着デビュー「1着を欲しかったが、最低限のことはできた」

[ 2020年5月16日 05:30 ]

9R、3着でゴールする原大智(右二人目)(撮影・後藤 正志)
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 2018年平昌五輪のフリースタイルスキー男子モーグルで日本初の銅メダルに輝いた原大智(23=宮城)が15日、競輪デビューした。広島競輪場で行われた新人戦の予選初日2レース目(出場7人)で、終盤に追い上げて3着。昨年5月に日本競輪選手養成所に入所し、今年3月に卒業。モーグルでの22年北京五輪出場も諦めず、2つの夢を追う。

 運命を感じさせる船出だ。モーグル出身の原が、新人戦予選初日でプロデビュー。18年平昌五輪の銅メダルと同じ3着に入った。

 「凄く緊張した。養成所時代から脚力はついている。いっぱいいっぱいのところから踏むことができた。1着を欲しかったが、最低限のことはできたかな」

 在学中の成績は今春、卒業式を迎えた同期70人中45位。最終周は7人中5番目だったが、最後の直線で追い上げ車券に絡み、3連単は74番人気の高配当2万9580円に貢献。得た“初任給”は3万1000円だった。

 2年前の冬、五輪でモーグル男子初の表彰台に上がった。渋谷生まれ渋谷育ちの生い立ちも話題を呼んだ。15歳でカナダへスキー留学。英語に苦労し、枕を濡らし、腕を磨いた。競輪でも生きざまが重なる。雪上同様、スピード感に魅了され、昨年4月に特別選抜試験に合格。養成所は10代で訪れた異国の地と同じ。記録が出ず、落第寸前に追い込まれるなど「想像以上のつらさ」を乗り越えた。

 軸足は移したが、22年北京五輪は諦めてはいない。「感覚が戻るのに時間を要するかもしれないが、北京五輪に出る道があるのなら、絶対に(代表を)手に入れたい」。2日目までのポイントで上位に入れば17日の決勝へ。メダリストの異色の挑戦が幕を開けた。

 ◆原 大智
 ☆生まれとサイズ 1997年(平9)3月4日生まれ、東京都渋谷区出身の23歳。1メートル72、80キロ。
 ☆モーグル歴 小学6年で始め、広尾中卒業後、モーグル強豪国のカナダに留学。17年から日本に拠点を移し、平昌五輪に初出場。銅メダルを獲得し、フリースタイルで日本男子初の表彰台に立った。19年2月のフリースタイルスキーの世界選手権でも3位。
 ☆競輪歴 19年4月の日本競輪学校の特別選抜試験に合格。日大を休学し、5月から養成所に入所し、20年3月に卒業。
 ☆二刀流 自転車に挑戦した当初からモーグルとの両立を明言しており、22年北京五輪までは異例の二刀流を続ける意向。

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