GP馬一蹴!レコードVタスカータ/札幌記念

[ 2008年8月25日 06:00 ]

先頭を走るマツリダゴッホ(右)をかわしにかかるタスカータソルテ(中央)

 「第44回札幌記念」を制したのは横山典騎乗の5番人気タスカータソルテ。鮮やかな末脚で1番人気のグランプリホース、マツリダゴッホをかわしてレコードV。天皇賞・秋でもその末脚は脅威となりそうだ。

 自慢の末脚が最後に爆発した。直線を向いたタスカータソルテの前を行く馬はただ1頭だけ。先に抜け出したマツリダゴッホを1完歩ごとに追い詰めていく。相手はグランプリホース。だが勢いの違いは歴然としている。首差かわして1着ゴール。90年にグレートモンテがマークしたレコードを18年ぶりに更新する1分58秒6の好タイム。鞍上の横山典は何度も左手を突き上げ、ド派手なガッツポーズを見せた。
 「最後は向こうが休み明けの分、脚が鈍った感じ。使った強みでよく差してくれた。じっくりタメてイメージ通りの競馬。返し馬から馬の雰囲気が良かった。陣営も勝負気配だったからね」と笑顔で振り返った横山典。秋へのステップではなくて目標の一戦。厩舎サイドでは早くからここへ照準を定めていた。
 話は3月にさかのぼる。中京記念を制した後、藤原英師はこう漏らしていた。「この馬に合っているのは平たん小回りで、スピード勝負になるコース。中京のほかでは札幌だな」。久々の前走・函館記念(7着)を叩いて思惑通りに状態アップ。「中間は牧場(社台ファーム)と連絡を取りながらの調整。北海道ではチームワークで仕上げないといけないからね」と藤原英師。もともと細身の体つきで調整の難しいタイプ。前走後は北海道千歳の社台ファームへの短期放牧を挟んだ。そして函館で直前の調教を積み、決戦の地・札幌へ。北海道内の施設をフルに活用してVをつかんだ。
 秋の目標として天皇賞(11月2日、東京)の名も挙がったが、それはまだ先の話。師の表情には充足感があふれていた。「うれしいね。最強の馬を負かせたんだから。横山典君が続けて乗ってくれたのは大きかった。すべてがパーフェクトだったね」。このG2勝ちで一気にポイントを伸ばしてサマー2000シリーズの首位に立った。武器の末脚にさらに磨きをかけ、秋はG1舞台でも大暴れが期待できそうだ。

 ▼タスカータソルテ 父ジャングルポケット 母ブリリアントカット(母の父ノーザンテースト)牡4歳 栗東・藤原英昭厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績15戦5勝 主な勝ち鞍は07年京都新聞杯、08年中京記念、札幌記念 総獲得賞金1億9506万6000円。

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2008年8月25日のニュース