天気予報を見る
 
新聞購読申込

リーグ運営会社 馬郡社長インタビュー 2020年シーズン終了 NPBに4選手「一定の成果」 来季は「観客取り戻す」 四国ILplus

2020/11/21 09:12

 四国アイランドリーグplus(四国IL)の2020年シーズンが10月25日に終了した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開幕が約3カ月遅れた今季。関係者は対応に追われたが、レギュラーシーズンは当初予定の各球団76試合を実施し、ドラフト会議で指名を受けるなどして日本野球機構(NPB)に4選手を送り出した。リーグを運営する「IBLJ」の馬郡健社長に、激動の今季を振り返ってもらった。
(聞き手、運動部・西森健太)

 ―シーズン開幕が大幅に遅れた。どんな思いだったのか。

 「せっかく四国ILに挑戦してくれた選手に野球をやらせてあげたい思いの一方、感染を拡大させてはならず、ジレンマを抱えていた。ただ、開幕できなければ、今まで15年間培ってきたものが一度途切れてしまう。それは地元で協力、支援してくれているたくさんの人たちに申し訳ない。試合が全くできなくなるのだけは避けたかった」

 ―開幕日が6月20日に決まってからは。

 「感染防止のために一定のルールを決めて動き始めた。正直なところ現場のスタッフも私自身もレギュラーシーズンを全て消化できるか不安だった。試合数が少し減る程度で済めば100点。どう進めていくのが最善の選択かを考えていた」

 ―開幕1カ月を待たずに高知の選手1人の感染が判明したが、1週間後には公式戦を再開した。

 「感染者を出してしまったが、その後の対応は準備していたので、なんとかレギュラーシーズンを再開できた。多くのご意見、ご批判をいただいたことは事実。そんな中で、徐々に試合を行い続けることへの理解を獲得できていったと思う」

 ―無観客から有観客へと移行したが、客足は遠のいたままだった。

 「観客がいない球場は物足りなかった。やはり多くの人に応援してもらいたい。コロナの影響があってもなくても、リーグ、球団が真剣に考えていかなければいけない問題だ。観客に楽しんでもらえる環境を、もう一度ゼロからつくっていきたい」

 ―今年はリーグから4選手がNPBの舞台へと羽ばたいていった。

 「一定の成果は出せたと考えている。これは来季に向けたリクルートにもつながり、良い選手が集まる循環のきっかけになるはずだ」

 ―新たに北海道や九州で独立リーグが誕生したことについては。

 「チーム数が増えて選手が分散することで、独立リーグ自体のレベルの低下などが叫ばれると思う。独立リーグが(他団体より)下に見られることがないよう、野球のレベルは常に上げていかなければいけない」

 ―来季のビジョンは。

 「コロナでリーグ、各球団が財務的にも大きく痛んでいる中、まずはいつも通りのことをやれるようにする。3月末に開幕し、(今年参加を見送った)プロ野球秋季教育リーグに復帰したい。また、来季に向けた動きで一つ考えているのは、観客が来やすい週末に試合を多く組むこと。今年挑戦したかったが、コロナでできなかった。球団だけでなく、リーグも主体的に動き、観客を取り戻していきたい」

馬郡 健(まごおり・たけし) 慶応大法学部卒。電通を経て米国の企業でシステム開発に取り組む。 2017年12月に東京のIT企業社長。四国ILの経営に長年携わった鍵山誠氏との出会いをきっかけに、19年11月からIBLJ社長、20年3月から日本独立リーグ野球機構会長も務めている。東京都出身。41歳。

同じジャンルの記事

注目の情報

顧客管理が簡単にできるASPシステム「クライゼル」を発売中

顧客管理が簡単にできるASPシステム「クライゼル」を発売中
トライコーン株式会社では、本格的な顧客管理を実施したい法人向けASPサービスクライゼル」を発売しています。CRMもお任せください

詳しく見てみる→

▲このページのトップに戻る
購読のお申込みは0120-084-459

SHIKOKU NEWS 内に掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。 すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

Copyright (C) 1997- THE SHIKOKU SHIMBUN. All Rights Reserved.