大相撲春場所10日目(19日、エディオンアリーナ大阪)尊富士は立ち合いの当たりもよく、大の里に右を差させずに左を差し勝ったのが勝因だった。差せずに右が上手になった大の里の呼び込むような投げにも、出足にものをいわせた尊富士がうまく足を運んで押し出した。大の里の圧力を尊富士のスピードとうまさで上回った感じだ。
新入幕で10連勝。それもほぼ一方的な内容で、あっぱれというほかない。変な硬さもなく伸び伸び取っている。アッという間に上がってきただけに相手力士にはデータもなく、尊富士とは何者かといった戸惑いもあるだろう。11日目は琴ノ若に挑戦する。受けも強い大関にどこまで出足が通用するかだ。(元大関武双山)