プロボクシング4団体世界バンタム級統一王者の井上尚弥(29)=大橋=が13日、横浜ベイシェラトンホテル&タワーズで会見し、13日付で4団体の世界王座をすべて返上し、スーパーバンタム級へ昇級すると発表した。次戦は4月か5月に同級初戦を闘う見通し。
昨年12月13日にアジア選手初の4団体王座統一戦(東京・有明アリーナ)で、WBO王者だったポール・バトラー(34)=英国=に11回TKO勝ちで圧勝してからちょうど1カ月。井上が世界4階級制覇に向けた決意を表明した。
余裕の闘いぶりでスーパーフェザー級以下の軽量級でも初めて、男子では全階級合わせて9人目の快挙を達成した井上は、さらなる高みを目指す。「もうこの階級でやり残したことはない」と話していた通り、今年は新たな階級で勝負することを決めた。リミットがバンタム級より1・8キロ重い55・3キロのスーパーバンタム級。身長165センチの井上に対して、対戦相手は170センチ台の選手が増えてくる。井上は同級では小さい方になるが、約10キロの減量が厳しくなってきており、プラスの面もある。
まず狙うのはWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(33)=志成=に続く、日本男子2人目の世界4階級制覇。スーパーバンタム級はWBC、WBO王者のスティーブン・フルトン(28)=米国=と、WBA、IBF統一王者のムロジョン・アフマダリエフ(28)=ウズベキスタン=が4団体のベルトを分け合っている。
井上はWBOからバンタム級スーパー王者に認定されており、スーパーバンタム級への昇級で1位にランキングされ、フルトンへの指名挑戦権を得る。所属ジムの大橋秀行会長(57)は「4月とか5月になると思う」と次戦の見通しを明かしていた。井上は「バンタム級では大変だけど、スーパーバンタム級に上がれば全然大丈夫」と2017年以来、6年ぶりに年間3試合闘うことを望み、「4月と夏と12月。たぶんそういう感じでいくんじゃないか」と希望している。
5日には自身のツイッターで「この先はデカい奴に挑んで行く、自分自身への挑戦でもある。今年は『挑戦』これに限る ワクワクドキドキして来た」と心境を明かした。モンスターの新たな挑戦が始まる。
プロ戦績は井上が24戦24勝(21KO)、バトラーが37戦34勝(15KO)3敗、フルトンが21戦21勝(8KO)、アフマダリエフが11戦11勝(8KO)。