印象深いのは中谷が格闘するドイツ語の学習。16年冬から学び始め、英語が堪能ながら「3歩進んで10歩下がる」ともがく様子は同世代の共感を呼びそうだ。
穏やかな日々の一方、臼蓋(きゅうがい)形成不全による股関節の不具合を長年抱えていると明かし、「日記に書くとつらいことも観察対象になる」と前を向く。
夫が元パートナーとの間にもうけた娘(8)の存在も初告白。4歳だった17年から交流を重ね、「ドイツ語の表現を教えてくれたり、一番の生きた教材」とにっこり。今月12日の誕生日には「ステップ娘(義理の娘)がバースデーの歌の動画を送ってくれた」と母の顔をのぞかせた。
夫との出会いは「本当に幸運だった」と感謝。「庭にどの植物を植えるかなど譲り合いが大事。想像しないものが生まれるのは仕事と一緒」と最愛の伴侶と支え合う。
世界遺産都市のザルツブルクのように、スター女優は日常の幸せを糧におおらかに生きてゆく。
★現地で漢字のサイン褒められた
中谷は今秋公開の映画「総理の夫」(河合勇人監督)に俳優、田中圭(36)とダブル主演。史上初の女性総理と夫をコミカルに描いている。「実在する各国の女性首相は力まず、男女格差も分かった上で次の世代のために譲歩している」と分析。自身は夫婦別姓を貫き、「漢字の名前と日本人のアイデンティティーを守りたい。現地の銀行で漢字のサインを『なんてきれいなの』と褒められた」と日本の美を大切にしている。