「NPB AWARDS」が26日、東京都内で開かれ、セ・リーグの最優秀選手(MVP)には巨人・坂本勇人内野手(30)が選出された。打率・312、自己最多の40本塁打&94打点でチームを5年ぶりのリーグ優勝に導いた主将が、プロ13年目で初めて最高の栄誉に輝いた。パは西武・森友哉捕手(24)が初選出。野村克也(南海)、城島健司(ダイエー)に続き、パの捕手では史上3人目の栄冠を手にした。
フラッシュに照らされ、照れ笑いを浮かべた。自身初の栄冠を手ににした坂本勇は、喜びを隠さなかった。
「まさか、この賞をいただけるとは思っていなかった。素直にうれしい」
セ・リーグで遊撃手がMVPを受賞するのは初めて。負担の大きい守備位置で打率・312、40本塁打、94打点と圧巻の成績を残し、「攻撃型2番」として5年ぶりのリーグ制覇に貢献した。プロ野球担当記者らによる投票で有効投票総数299のうち、1位票は261。まさに、文句なしの選出だった。
目を引くのはパワーヒッター化だ。31本塁打を放った2010年以来、30本を超えたシーズンはなかったが、今季は40発を量産した。
自己最多の123三振を喫したが「もう一つランクの高いバッターになりたい」とフルスイングを貫き覚醒。「常に何かを求めてやっていれば、自分でも不可能と思ったことが可能になった。若い選手にも常にそういう気持ちでプレーしてほしい」と実感を込めた。
阿部から主将を引き継いだ14年オフ、チームを引っ張る上で必要な要素として真っ先に挙げたのが「圧倒的な成績」だった。阿部は12年に首位打者に輝き、MVPを獲得。その絶対的な存在感に憧れた。13年目にして初めて手にした栄冠は、前主将に肩を並べた証しでもあった。