日本オリンピック委員会(JOC)のジュニア競技者育成事業、「JOCエリートアカデミー」の今年度の入校式が2日、東京・北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで行われ、5競技10人の第10期生が新たな一歩を踏み出した。
新入生の中で注目は、新たな天才卓球少女と呼ばれる木原美悠(12)。一人一人が登壇して行われた「決意表明」では「アカデミー生の自覚を持ち、人間として成長したい。最終目標は五輪での金メダル。大きな舞台を意識して、毎日レベルの高い練習をしていきたい」と明確な目標を描いた。
入校式を終えて「すっきりしました」と木原。兵庫・明石市立二見西小の2年生だったころ、エリートアカデミーの練習を見て「自分もここに来て五輪を目指したい」と思ったのが入校のキッカケ。4年越しの願いがかなった。12歳で親元を離れることになるが、「これまでも遠征で海外に行ったりしているので、慣れています」とあっけらかんと話す。
卓球教室を運営する父・博生さんに指導され、4歳で卓球を始めた。小2で全日本選手権カデットの部(13歳以下)3回戦に進むなど早くから注目され、2015年2月には国内トップレベルが集うジャパントップ12に、10歳8カ月の史上最年少で出場。昨年の全日本選手権では一般の部で3回戦に進んだ。
新生活を前に「不安はないです。自分がどこまで強くなれるのか、楽しみでワクワクしています」と物おじしない。「大きな声であいさつするとか、普段の生活の仕方も学び、人間力を上げて、卓球も強くなりたい」と胸を躍らせる。
エリートアカデミーの先輩には、今年の全日本選手権を史上最年少の16歳9カ月で制し、世界選手権の代表に選ばれた平野美宇(16)がいる。
「美宇さんはHey!Say!JUMPが好きみたいで、昨日、写真をもらいました」と木原。「かっこいいな、と私も好きになりました」と、すっかり仲良しだ。
それでも五輪金メダルの目標のためには倒すべきライバルの一人。「尊敬する先輩ですが、将来は絶対に勝たないと五輪に出場できない。東京五輪までには勝ちたい」と成長を誓った。