テレビ東京の高橋雄一社長は30日の定例会見で、バラエティー番組「世界ナゼそこに?日本人」(毎週月曜午後9時)に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信者が「多数回にわたって出演した」などと指摘されたことについて、「あえて特定の宗教関係者を取り上げる趣旨はない。特定の宗教を広めることに加担するような番組を作らないことが大前提だ」と述べた。
番組は、海外で活躍する日本人を紹介するバラエティー番組。全国霊感商法対策弁護士連絡会が5月、番組に信者の日本人女性が複数回にわたって出演していたとして、テレ東側に「(出演者が)旧統一教会信者であることを意図的に秘匿した」「虚偽の事実を織り交ぜた物語の創作」などと申し入れていた。
これに対し、テレ東は出演者の経歴などについて、「きちんと取材した結果に基づいたもの」と回答し、連絡会の主張を否定。その上で、「番組制作に当たって信教の自由を尊重しており、出演者をその信教、信条によって差別することはない」としていた。
30日の会見で、テレ東の長田隆編成局長は「出演を信教、信条で判断することはなく、本人に問い掛けをすることもない。出演にいたった経緯については、取材の経過もあり、差し控えたい」と説明した。