1997年に現役を引退。タレントに転向してしばらくたった頃、事務所(ホリプロ)の先輩、和田アキ子さんからテレビ局の楽屋で厳しい忠告をいただきました。
「あんたさあ、後輩だからあえて言うけど、そんなんじゃ、この世界、やっていけないよ」
引退後はスポーツキャスターのほか、憧れだった女優になりたいと思っていました。今の事務所を選んだのもそれがあったからです。おかげでいろんな番組に出させてもらいました。
初めのうちはトーク番組でも素の私でOKでした。実は私、あまり失敗談がないんです。練習やチームの移動時間に大きく遅刻したとか、そういうことがない。ずっと真面目な優等生だったんですね。それが素で話をしても、ぶっちゃけ感がない。それじゃバラエティーでは通用しない-。アッコさんから、そう諭されました。
講演会で話しても、聞く人を笑わせるのはとても難しい。同じことを何十回も話していると、自分でもおもしろくなくなるし、聞いている人もおもしろくないんじゃないかと感じる。そこで参考にしようと思ったのが、お笑いです。
現役時代からよくお笑い番組を見ていたし、大阪の東洋紡時代にはチームメート同士がボケとツッコミをやっている雰囲気にもなじんでいました。その頃、芸人さん(チュートリアル、たむらけんじら)とも仲良くなっていました。彼らの舞台や番組はもちろん、飲み会の席での会話の間や返しを観察して自分に取り入れました。