金英漢(キム・ヨンハン)民情首席秘書官(当時)の業務について記されたメモは、「懲らしめてやる」と産経新聞を名指ししていた。当時、産経新聞と私が韓国政権中枢の激しい怨嗟(えんさ)の的になっていたことを改めて感じる。
朴槿恵(パク・クネ)大統領の意向をどの程度反映しているのか判然としないが、韓国検察による捜査、事情聴取、起訴といった一連の行為が政権中枢からの指示によるメディア攻撃であったこと、また政権総掛かりの個人攻撃だったことが明らかとなり、怒りというよりも恐ろしさを覚える。
韓国の民情首席秘書官といえば大統領府(青瓦台)にあって検察、情報機関、警察など政権を守るために動く権力機関の元締、司令塔として知られる。
出国禁止措置の8カ月間、日常生活の中で警察や情報機関の影を常に意識していた。メモでは「リストを作り、追跡し処断するよう情報収集」としたうえで、「警察 国家情報院をチーム構成するように」という記載もある。青瓦台が産経新聞と私に対する監視包囲網を作っていたということなのだろうか。